<第30回MBC旗争奪高校野球選抜1年生大会:神村学園10―0鹿児島商>10日◇決勝◇平和リース球場

 「連覇は昨年の大会で更新したので、最多優勝を更新したいです」

 準決勝の後、神村学園の小田 大介監督は決勝への意気込みを語っていた。1年生が公式戦の舞台を体験できる大会。数多くの貴重な経験を積むためには、優勝を目指すのが何よりの近道だ。その言葉通り、鹿児島商を大差で下し、連覇を5に伸ばし、樟南と並んでいた優勝回数を8回に伸ばして、単独トップとなった。

 1回裏の特大3ランが大きく流れを手繰り寄せた。

 2つの四球で二死一三塁の場面。5番・田中 翔大主将が初球を迷わず振り抜くと、大きな放物線を描き、今大会を通じて唯一のスタンドインとなる3ランを放って先制した。

 四死球やエラーで作った好機を適時打で返す。準決勝の鹿児島実戦でもみられたそつのない攻撃が最後まで途切れなかった。

 2回はエラーで4点目。2回までの安打数はわずか1本だが4点を挙げて主導権を握った。

 4回には二死一塁から一走・前田 翔斗が二盗を決め、2番・川崎 怜央、3番・今井 滉士郎が連続適時打で2点を追加した。

 6回は二死三塁から4番・梶山 侑孔の内野安打で7点目。8回は無死二塁からの送りバントが悪送球で8点目。3番・今井の犠飛、5番・田中翔主将の4打点目となる右前適時打で10点と打線がつながり、13安打10得点を挙げた。

 先発のエース大江 琉翔は毎回先頭打者を確実に打ち取り、5回までは鹿児島商打線に5安打されたが、後続をきっちり打ち取り、三塁を踏ませなかった。

 6回以降は3人ずつでテンポ良く打ち取る。9回表、二死から振り逃げ、四球で一二塁と鹿児島商が最後の意地を見せ、6番・假屋 拓希が左前打。二走の代走・松久保 花道が果敢に本塁を目指したが、神村学園は見事な連係で本塁タッチアウト。最後まで本塁を踏ませなかった。

 神村学園は、この1年間に出場した県大会は全て制し、2024年の公式戦を締めくくった。