最大で290倍...データで見ても凄まじい加圧トレーニングの効果
だから成長期で、トレーニングをセーブしがちな中学生でも、「怪我のリスクを減らせて、かつ体への負担をかけずにトレーニングを積めるし、成長ホルモンを出せる」ということで、体づくりの一助にも効果的だと北野さんは語る。高校野球に向けて、体づくりをすることを踏まえても、加圧トレーニングは効果的な手段の1つと言っていい。
また、北野さんいわく、データの観点で見ると、「通常のトレーニングと比べて、最大290倍も成長ホルモンが出たケースもあります」という。
さらに、「加圧中はアドレナリンの分泌もあるので興奮状態になりやすいし、外せば副交感神経が働くので、リラックスもできるのです」とメンタル自律神経にも加圧トレーニングが少し関わっているようだ。
年代に問わず、凄まじいほどの効率の良さが、加圧トレーニングで実現するというわけだ。
ウォーミングアップだけで3センチも太く！より手軽に加圧トレーニングが出来るウエアが登場
加圧トレーニングは、専門の資格を持ったトレーナーが専用機器で血流に圧力をかけて制限するので、適当にやっても効果が得られるわけではない。その日のコンディションに応じて、ベストな圧力をかけて行います。だから加圧トレーニングをするには、資格を持ったインストラクターからの指導をもとに、通う必要があり費用も高くなる。
北野さんの中でも「本格的にやろうとすると、凄く高価なもので一般の方が手軽に実施出来ないし、1人だけで取り組めない」ことが唯一のデメリットだと挙げている。
そんなデメリットをほぼ解決しているのが、北野さんが勤務するゼットから販売されているKAATSウエア（以下、加圧ウエア）である。
加圧トレーニング発明者の佐藤先生と共同して開発され、2008年ごろからゼットで販売が始まったという加圧ウエア。両腕、両脚の付け根付近にベルトループがついており、専用ベルトを通して締めることで、上半身は1回10分、下半身は1回20分間まで締められ、加圧トレーニングが出来るようになっている。
先述した専用機器のような本格的なところまでは出来ずとも、「元々、初心者でも手軽に使える、導入レベルという位置づけで作られているので、選手たちには十分効果がある」と北野さんはいう。
実際に北野さんがレクチャーしているチームの中には、「アップの時だけ着用しても、3センチほど足が太くなるところがありました」とのこと。自社独自の測定項目で体力測定をしているアスリートテスト、通称・ゼット測定の数字でも成長の一端が見られるという。短い時間で済ませがちなアップだけでも、確実に体つきに変化が生まれている。
