全国各地の秋季地区大会が終わり、20日に開幕する第55回明治神宮野球大会(神宮)の出場校が出揃った。各地区のチャンピオンによる「秋の全国大会」。10校の今年の顔ぶれを紹介していく。

第8回は、中国大会で、実に31年ぶり7回目の優勝を果たした名門・広島商(広島)。伝統の守り抜く野球と、しぶとい攻撃は健在。広島大会の終盤で接戦を勝ち抜くと、中国大会では全試合で先制点を挙げて試合を優位に運ぶなど、試合巧者ぶりを見せて、頂点を手にした。

秋季大会の戦いは以下の通り。

<秋季大会戦績>

★広島大会

地区予選 9-2山陽

地区予選 8-1広島城北

1回戦 8-0可部

2回戦 12-0熊野

準々決勝 10-1西条農

準決勝 3-2盈進

決勝 4-3如水館

★中国大会

1回戦 7-2米子東(鳥取)

準々決勝 2-1開星(島根)

準決勝 6-3岡山学芸館(岡山)

決勝 6-3米子松蔭(鳥取)

投手陣では、大宗 和響投手(2年)と徳永 啓人投手(2年)が主に登板し勝利に貢献した。右上手のダイナミックなフォームが特徴の大宗は、力投型の投球でイニング数同等の三振を奪った。自責点は岡山学芸館に許した2失点のみで、安定感を見せつけた。左腕の徳永は先発、リリーフともに好投を見せた。

<中国大会の主な投手成績>

大宗 和響 3試合18.1回19三振、防御率0.98

徳永 啓人 4試合16.1回7三振、防御率2.76

打撃陣では、1年生が中軸を担う。中でも4番を任されている名越 貴徳外野手(1年)は、思い切りのいいスイングが特徴で、31年ぶりの優勝を決めた米子松蔭戦で左翼席への豪快な先制2ランを放った。勝負強さと長打力を見せつけ、伝統校の4番の大役もしっかりこなしている。打点もチームトップタイの5打点をマークした。主将でもある1番の西村 銀士内野手(2年)は、打率.429をマークしてリードオフマンとしての役割を果たした。

<中国大会決勝のスタメン・打率>

(カッコ内は本塁打数、★は1年生)

(遊)西村 銀士.429

(二)小田 健登.176

(中)★三田 桂慎.231

(左)★名越 貴徳.313(1)

(一)藤田 涼平.167

(右)菅 太一.333

(捕)柳井 晶翔.333

(投)徳永 啓人.000

(三)正田 亮祐.200

意外にも初出場となる明治神宮大会では、22日の第2試合で、北海道代表・東海大札幌と東海代表・大垣日大(岐阜)の勝者と初戦で対戦する。甲子園ではなじみの伝統校が「初出場校」となる神宮の舞台で「広商野球」を披露する。