11月20日から開催される明治神宮大会。高校の部で大きな注目を集めるのが、大会第2日第1試合の明徳義塾(四国地区代表)と横浜(関東地区代表)の東西名門対決である。

 最速148キロ右腕・織田 翔希投手(1年)をはじめ、有望タレント豊富な横浜に対し試合巧者の明徳義塾がいかに闘うかが見どころとなる。その戦略の一端を明徳義塾・馬淵 史郎監督自身が語ってくれた。

 両校は旧チームの今年5月、横浜が高知県まで赴き練習試合で対戦。結果は巨人から育成ドラフト6位指名を受けた明徳義塾・竹下 徠空内野手(3年)が2試合共にアーチを放っての1勝1敗となったが、「スタメン9人中7人ほどが下級生だったけど、ポテンシャルは高かった。あのまま秋を戦っているのであれば、完成度はかなり高いと見ているよ」と、横浜の全体像について言及した。

 その中でも織田投手に関しては「練習試合で対戦した時は140キロくらいだったけど、ボールに角度があって将来性があると思った。関東大会の映像は(秋エースナンバー左腕の)奥村 頼人投手(2年)君と両方見たけれど、織田君が力を付けたということなんでしょうね」と、熱視線を送っている。

 その上で、勝敗のポイントを「僅少差の闘いになるし、1つのミスが命取りになる」と話した馬淵監督。そのために明徳義塾は「神宮球場のような人工芝での試合には慣れている」横浜に対抗すべく、すでに高知工科大の人工芝球場で練習を行っている。さらには、東京入り後も母校であり長男の馬淵 烈監督が率いる拓殖大野球部グラウンドで、人工芝への錬度を高める予定である。特に午前中に球児を悩ませる日差し対策についても「四国大会後にはサングラスをかけて練習させている」と、できる準備は尽くす心構えだ。

 最後は「横浜さんは明治神宮枠を持ってこようと必死になって闘ってくるはず。そんな状況でセンバツでも優勝候補に上がる学校と対戦できるのは楽しみですし、自分たちも四国地区の代表として精一杯持っているものを出し、一戦必勝で闘いますよ」と意気込みを述べた馬淵 史郎監督。

 両校は松坂 大輔世代の1998年夏準決勝を最初に、甲子園で過去3度対戦。いずれも横浜が勝利しているが、明治神宮大会では初顔合わせとなる。秋の大一番に向け、準備を惜しまない名将の戦いぶりに注目だ。