明治神宮大会がいよいよ20日から開幕する。開幕戦に登場するのが東洋大姫路だ。2019年に履正社を甲子園優勝に導いた岡田 龍生監督は今の2年生たちを1年夏の時点からベンチ入りをさせ、経験を積んできた。勝負の年ともいえるこの秋で期待通り、近畿大会を制した。投打ともに成熟した東洋大姫路はどんなチームなのか。

エースの阪下 漣

 まず投手力。エースの阪下 漣投手(2年)の安定感が絶大だ。右スリークォーターから常時140キロ前半の速球、スライダー、カーブ、チェンジアップを巧みに投げ分ける投球が光る。近畿大会では27.2回を投げ、わずか1失点の好投だった。強力打線相手にも失点を許さない投球術を神宮大会の舞台でも披露したい。

 優勝するには東洋大姫路は全4試合戦わないといけない。阪下以外の投手では、近畿大会準決勝で末永 晄大投手(2年)が好投。左腕から130キロ台中盤、スライダー、カーブをテンポよく投げられて、試合が作れる。城下 雄飛投手(2年)は185センチの長身から140キロ台の速球を投げ込み、スケールでは阪下を上回るものがある。城下は大会直前の鹿児島商との招待試合でも登板しており、神宮大会でもベンチ入りと登板が期待される。県大会でも登板した左腕・松本 蒼生投手(1年)も控える。

 打線は近畿大会4試合で29得点。対応力の高さが光った。今年の打線は一発を打つ打者はいない。いかにして内野の間を抜く打球を打って着実に点を重ねることができるかにこだわっている。打線のキーマンは1番渡邊 拓雲内野手(2年)。前チームから1番打者として活躍しており、鋭いスイングで長打を量産し、近畿大会では打率.375を記録した。3番・見村 昊成外野手(2年)、4番・木村 颯太内野手(2年)、近畿大会で打率.455を記録した白鳥 翔哉真外野手(2年)と左打者を中心に着実に点を重ねてきた。今年の東洋大姫路打線は誘い球には手を出さず、打者有利のカウントに持ち込んでいき、甘く入ったボールを逆方向にも強い打球が打ち返せるのが強み。多少苦しむイニングがあっても、最終的に大量点を奪える強さがある。

主将としてチームをけん引する渡邊 拓雲

 守備では前チームから正捕手の桒原 大礼捕手(2年)が要だ。阪下の持ち味を引き出し、県大会、近畿大会を我慢強く戦ってきた。前チームの時と比べるとどっしりと構えるようになり、試合運びも安定してきた。桒原の成長が今の躍進にもつながっている。

 岡田監督は履正社を率いていた2016年に明治神宮大会優勝を経験している。当時の履正社と比べてもパワーは劣るが、実戦的なチームである。前評判通りの実力を発揮できるか注目だ。

【近畿大会ベンチ入り選手】

1 阪下 漣投手(2年)
2 桒原 大礼捕手(2年)
3 木村 颯太内野手(2年)
4 渡邊 拓雲内野手(2年)
5 渡邊 裕太内野手(2年)
6 高畑 知季内野手(2年)
7 笹岡 想絆外野手(2年)
8 伏見 翔一外野手(2年)
9 見村 昊成外野手(2年)
10 末永 晄大投手(2年)
11 松本 蒼生投手(1年)
12 小橋 聖志捕手(2年)
13 白鳥 翔哉真外野手(2年)
14 峰松 紘大捕手(2年)
15 高田 瑠心内野手(2年)
16 村上 耀大内野手(2年)
17 國武 球磨内野手(2年)
18 原田 亜久里外野手(2年)
19 城下 雄飛投手(2年)
20 諸戸 陽風外野手(2年)