今年の明治神宮大会で優勝候補として取り上げられるのが17年ぶり出場の横浜だ。横浜は過去3回出場しており、そのうち2回は決勝に進出している。最初の決勝進出は1997年で、松坂大輔投手(元西武)を擁して初優勝、2回目は2007年で、当時1年生だった筒香 嘉智外野手(DeNA)がいた。大会2日目(21日)の第1試合に登場する横浜は今までのチームとは一味違う。
接戦でも実力を発揮できる4人の投手陣
関東大会でも好投した織田(横浜)
今年の横浜の特徴は、投手陣の層の厚さが非常に厚いことだ。これまでの横浜は絶対的なエースを中心に守り勝つ傾向が強かったが、今年は多くのエース級を揃える。関東大会では1年生右腕の織田 翔希投手が最も活躍を見せた。躍動感のある投球フォームから常時140キロ台の直球、スライダー、カーブ、チェンジアップをテンポよく投げ分け、関東大会では18.1回を投げ、15奪三振、3失点の好投。村田監督はここまでの成長について「吸収力が違う」と絶賛する。神宮大会でも重要な場面で投げることになりそうだ。初戦の明徳義塾に勝利することが前提になるが、勝ち進めば、146キロ左腕・奥村 頼人投手(2年)の復活を期待したい。関東大会では準決勝の浦和実戦で2回降板など思うような投球ができなかったが、本来の投球ができれば、打ち崩すのは困難だ。
この2人以外もレベルが高い。前田 一葵投手(2年)は前チームから中継ぎとして活躍する右腕。常時130キロ台中盤の速球、スライダー、カーブをテンポよく投げ分けていきながら、試合を作ることができる。いつも苦しい場面では中継ぎとしてチームを救ってきた。村田監督は絶大な信頼をおいている。
「取り組む姿勢も、人柄も良い。チームメイトからかなり信頼されています。苦しい場面でも投げさせることができます」
最速143キロ左腕・片山 大輔投手(2年)はこの秋から伸びてきた速球投手。関東大会では厳しい場面でのリリーフも増えてきた。村田監督も「終盤のワンポイントとして使えるようになったのは大きい」と評価する。ほかでは県大会から登板があった山脇 悠陽投手(2年)も控える。遊撃・池田 聖摩内野手(1年)、一塁・外野を兼ねる小野 舜友内野手(1年)は夏では登板したが、この秋は体作り専念のため、登板はしていない。村田監督によるとオフシーズンで投手として登板できる土台作りをするという。