2024年も、あと1カ月あまりで終わろうとしている。今年の高校野球界を各都道府県別に振り返り、1年間の球児の熱い戦いを思い出してみたい。

今年の秋季近畿大会を制したのは東洋大姫路だった。実に17年ぶりの優勝で、兵庫県勢としても2009年の神戸国際大付以来、15年ぶりの近畿王者でもあった。甲子園球場の「お膝元」兵庫県代表チームが強さを発揮し、東洋大姫路は明治神宮大会でも初めて4強入りした。

兵庫県は全国でもトップクラスの激戦区。今年も春夏秋とそれぞれ異なったチームが優勝した。春は公立校として強さを誇るが優勝を収めた。準々決勝で育英、準決勝で東洋大姫路を破り、公立校決戦となった決勝で須磨翔風を破った。夏も4強に進み、私立強豪がひしめく兵庫のなかで、公立校として変わらず強さを誇った。須磨翔風は春季近畿大会で春の大阪を制した大阪学院大を破って4強に入る活躍も見せている。

夏は報徳学園が制した。センバツで準優勝を収めると、春は8強止まりだったが、夏に照準を合わせて春夏連続の甲子園に出場。夏甲子園は1回戦敗退を喫し悔しい結果となったが、今秋のドラフトで阪神2位指名を受けた今朝丸 裕喜投手を中心に、勝負強い試合運びを披露した。センバツでは2年連続の準優勝を果たすなど、兵庫県勢のレベルの高さを象徴する存在でもあった。

新チームとなった秋は東洋大姫路が制した。プロ注目右腕、阪下 漣投手(2年)を擁して守りの野球を実践。履正社(大阪)を率いて夏甲子園優勝を果たした実績のある岡田監督が、母校のユニフォームを着て来年への「反撃」を開始した。

優勝した3チームだけでなく、明石商神戸国際大付神戸学院大付なども上位に顔を出し、レベルの高い兵庫県のなかで常に強さを誇ったことも忘れてはならない。

秋のドラフトでは、報徳学園の今朝丸以外にも、神戸弘陵の村上 泰斗投手がソフトバンク1位指名を受けたほか、神戸国際大付津嘉山 憲志郎投手もソフトバンク育成7位指名を受けるなど、兵庫から高卒のドラフト指名選手が生まれた。

24年兵庫県大会結果

<春季>

優勝 

準優勝 須磨翔風

3位 明石商

4位 東洋大姫路

8強 育英

8強 神戸国際大付

8強 神戸学院大付

8強 報徳学園

<夏選手権>

優勝 報徳学園

準優勝 明石商

4強 

4強 東洋大姫路

8強 神戸国際大付

8強 加古川北

8強 神戸学院大付

8強 滝川二

<秋季>

優勝 東洋大姫路

準優勝 神戸学院大付

3位 三田学園

4位 神戸国際大付

8強 市尼崎

8強 西宮東

8強 明石清水

8強 姫路工