先日開催された明治神宮大会で、ひときわ目立った左腕がいた。東海大札幌(北海道)の背番号7、矢吹 太寛投手(2年)が、初戦で先発4回無失点に抑えると、準々決勝では7回から登板して3イニングを無失点に抑えた。準々決勝で敗退したが、2試合7回を投げ、1点も取られなかった。

神宮で144キロをマーク。キレと勢いが感じられる直球に、右打者への外角球が有効なチェンジアップ、鋭く曲がるスライダー、大きく割れるカーブと、球種も豊富で、相手に本来の打撃をさせなかった。さらにテンポのいい投球で、試合を引き締め、味方に流れをもってくることができていた。

驚くことに、この秋、北海道大会と明治神宮大会で先発、リリーフで6試合に登板。29イニングで30奪三振をマークした。140キロ台の直球と多彩な変化球で、相手中軸打者からも、どんどん三振を奪って見せた。走者がいないときはテンポ重視でポンポンとストライクを取りにいくが、走者が出るとギアを上げて、三振を奪いにいっていた。その「強弱」も矢吹の良さだ。

「北のドクターK」が一段とレベルアップし、センバツの舞台で輝く日が訪れると信じている。

【矢吹の北海道、明治神宮大会の成績】

<北海道大会>

1回戦(鵡川)先発7回1安打9奪三振1失点

準々決勝(クラーク国際)救援3回1安打4奪三振0失点

準決勝(札幌日大)先発6回4安打7奪三振2失点

決勝(北海)先発6回3安打4奪三振0失点

<明治神宮大会>

1回戦(大垣日大)先発4回4安打4奪三振0失点

準々決勝(広島商)救援3回1安打2奪三振0失点