この秋、明治神宮大会(神宮)で初戦敗退したものの、明徳義塾(四国・高知)の左腕エース、池崎 安侍朗投手(2年)は横浜相手に9回2失点完投と、実力を見せつけた。

やや2段モーション気味に右足を上げて一度タメを作ると、体のキレを存分に使って投げ込む。直球にスライダー、チェンジアップ、落差の大きいカーブを交えて、打者を打たせて取る。ピンチにも動じないメンタルの強さも感じさせるマウンドだった。

2年夏からエース。今年の夏甲子園では95球完封の「マダックス」を達成して注目を浴びた。国民スポーツ大会では、夏甲子園で優勝した京都国際(京都)相手に延長タイブレークとなる接戦にも10回を投げ切って勝利。10年ぶりの優勝にも大きく貢献した。

この秋、四国大会では3試合すべて完投してチームに優勝をもたらした。鳴門(徳島)戦ではわずか2安打完封、鳴門渦潮(徳島)戦では3失点(自責2)の完投勝利を挙げ、決勝の高松商(香川)戦では10安打を許しながらも3失点にまとめて完投した。少々、調子が悪い時でも、なんとかまとめる投球ができるのも、池崎が馬淵監督に信頼される理由だろう。

170センチ、62キロとまだまだ細身の体だけに、この冬のトレーニングで肉体改造できれば、さらに安定感が増し、好投できる投手へと変貌できるだろう。

【池崎の四国、明治神宮大会の成績】

<四国大会>

準々決勝(鳴門)先発9回2安打7奪三振0失点

準決勝(鳴門渦潮)先発9回5安打5奪三振3失点(自責2)

決勝(高松商)先発9回10安打6奪三振3失点

<明治神宮大会>

準々決勝(横浜)先発8回5安打5奪三振2失点(自責1)