1日、甲子園で「MIZUNO BASEBALL DREAM CUP Jr. Tournament2024 全国大会FINAL ラウンド」が行われた。1日は準決勝2試合と決勝、11月30日の準々決勝で敗れた4チームによるエキシビジョンが行われた。
2021 年から始まり、今年は4回目を迎えた。トーナメントで優勝チームを決めるような大会とは違い、明確なコンセプトや、いくつかの約束事が掲げられている。
【コンセプト】
「みんなで褒め合おう!みんな笑顔で楽しもう!『ミスを怒らず、みんなで助け合う』野球大会」
【約束事】
・元気いっぱいプレーしよう!
・気軽に参加しよう!体操服・運動靴でもOK
・みんなが主役!1人でも多くの選手が試合に出よう
・みんなでこの大会を盛り上げよう
・失敗した時こそ、励まし合おう
野球を楽しむことを考えられた今大会。これらの実現のため、ルール面ではリエントリー制度の採用。1 人でも試合に出場できるチャンスを作った。さらに、道具の貸し出しやユニフォームが統一されていなくても参加可能にした。出来る限り多くのチームが大会に参加してもらい、野球の魅力を感じてもらおうとしている。
こうした大会コンセプトに惹かれ、年々全国からの応募が増えている。実際、2021 年は656 チームだったが、昨年は 917 チームが参加。今年は1057チームと年々参加チームが増えている。大会の責任者であるミズノ社の古谷幸平氏は「形にもなってきて、普通の野球大会とは違った意味のある大会になってきたかなと手応えとしては感じています」と話していた。
特にリエントリー制度は好評で、「僕らは16人の選手で戦っていますが、野球は9人でやるスポーツなので、全員が出られないケースが多いです。その時に下を向いてしまう子どもも多かったので、リエントリー制度というのは素晴らしいと思います」と大阪ゴールデンファイヤー(大阪)の河野良太監督は歓迎していた。
昨年と違い、今年は阪神甲子園球場を使えたのは最終日だけ。準々決勝で敗れた4チームは、準決勝と決勝の間にエキシビジョンとして各チーム15分間の練習を実施。ノックやバッティング、ベースランニングなど思い思いの時間を過ごした。
中にはマウンドに集まって監督を胴上げするチームも。小針ヤンキーズ(埼玉)の伊藤文明監督は「甲子園のマウンドで胴上げしてもらえるなんて思っていなかったので嬉しいです」と感無量の様子だった。
選手たちはユニフォームを泥だらけにしながら憧れの甲子園での野球を楽しんだ。手についた土を大事そうに持っていた馬見ブラザース(奈良)の吉川大翔は「最高ですね。何回やっても飽きないです」と甲子園を満喫した様子。熊本ブルーマーリンズ(熊本)の前田涼佑は「熊本の強い高校に入って、この舞台に戻ってきたいです」と未来に夢を膨らませた。
優勝したのはTMジュニア(愛知)。「エラーをしても牽制でアウトにしたり、ゲッツーを取れてカバーできたのが良かったと思います」と主将の奥田瑛斗が話すように大会のコンセプトを体現したようなチームだった。「チームを思いやることや褒めることは学んで、また大きくなってほしいです」と北川厚美監督は子どもたちの成長を願っていた。
閉会式のプレゼンターには今季限りで現役を引退したオリックスのT-岡田外野手(履正社出身)が登場。「怒らないで、みんなで助け合うのをコンセプトにした大会は聞いたことがなかったですが、凄く良い大会だと思います」と大会を高く評価していた。
この大会を経験した選手が数年後に高校球児として甲子園に戻って来る日を楽しみにしたい。
【1日の試合結果】
大阪ゴールデンファイヤー8-2オール富山JBC
TMジュニア4-1用賀ベアーズ
TMジュニア4-0大阪ゴールデンファイヤー