2024年も、残りあと1カ月を切った。今年の高校野球界を各都道府県別に振り返り、1年間の球児の熱い戦いを思い出してみたい。

全国では、年々レベルが上がり、激戦区となっていく県が見受けられるが、岐阜県もその1つだと感じる。一時期、伝統校の県岐阜商が強かったが、今年はその「1強」時代から脱却し始めていることを実感した。

春は県岐阜商が優勝したが、夏は岐阜城北がその県岐阜商を破って優勝。新チームとなった秋は、大垣日大が県を制した。上位争いを演じるチームの顔ぶれは大きくは変わってないが、頂点に立ったのはそれぞれ違っていた。

県岐阜商は春の決勝で市岐阜商との「岐阜商対決」を制して優勝。東海大会では1勝を挙げ4強に入った。夏も大本命と目されていたが、岐阜城北との決勝は延長タイブレークにもつれ込む大接戦。延長11回にも及ぶ激戦の末に、6対5で岐阜城北が制し、2015年以来、9年ぶりの夏頂点に輝いた。甲子園では初戦敗退に終わったが、強力打線を武器に粘り強い戦いが印象的だった。

新チームとなった秋は1、2回戦までは大差がつく試合も多かったが、3回戦以降はほとんどが接戦となり、実力が拮抗していた。どこが優勝してもおかしくない展開のなか、大垣日大が9年ぶりに優勝。東海大会でも強さを発揮し、14年ぶり3回目の優勝を果たした。

長年指揮を執っていた大垣日大・阪口監督が昨年10月に退任。今年の夏の大会終了後には、県岐阜商の鍛治舎監督も退任を発表した。両大ベテランの指揮者の退任は、岐阜の新たな時代の幕開けとなるのか。

24年岐阜県大会結果

<春季>

優勝 県岐阜商

準優勝 市岐阜商

3位 岐阜第一

4位 関商工

8強 岐阜

8強 岐阜東

8強 大垣日大

8強 中京

<夏選手権>

優勝 岐阜城北

準優勝 県岐阜商

4強 岐阜第一

4強 岐阜各務野

8強 大垣工

8強 大垣日大

8強 中京

8強 岐阜

<秋季>

優勝 大垣日大

準優勝 中京

3位 岐阜第一

4位 岐阜城北

8強 美濃加茂

8強 県岐阜商

8強 大垣養老

8強 岐阜総合学園