ワクワクさせることを貫くわけ

そんな新生・立花学園だが、変らぬ部分も当然ある。チームスローガンである「革命」という言葉。立花学園、志賀監督を表すような言葉だが、こうした言葉を通じて選手たちをワクワクさせている。これが立花学園の土台であり、根底であるが、それほどまでに重要視するのは、なぜなのか。

「あらゆるところでいろんな人と接してきて、やっぱり成功している、活躍している人は自己否定を繰り返しながらも自己肯定感は高いんですよね。たとえばトップアスリートなら『俺ならできる、だから頑張る』っていう自分を肯定しながら、未来に対して果敢に挑戦していく。そのメンタリティーが最強だと思っています。
だから成功したか失敗したかではなくて、自分自身に対してそういう思いがあるっていうのはすごく素敵なことだと思っていますし、昨日の自分を超えるとか、自分の可能性にワクワクしているかとか、やっぱりそこら辺は常に追い求めていくために、数字で可視化させているんです」

その点で考えると、現在の高校生は「自己肯定感が低いように感じる」と志賀監督は話す。

「目標となる部分がボヤっとしていて、明確になっていないと思うところがあります。なので、何か目標を探してあげることが必要だと考えていて、そのためには好奇心を揺さぶるような声かけ、仕掛けは常に考えています」

先述したように、データといった数字で可視化することはもちろんだが、他にも様々な仕掛けをしている志賀監督。その幅はグラウンド外まで広がる。

「現在、2学年70人の選手がいるので、出来るだけ分け隔てなく会話できるきっかけとして、ミニチームを作っていてチーム戦をやる。一方で、学会に参加して、ポスター発表とかに興味がある選手たちの知的好奇心を刺激する。
他にもディズニー研修に行ったり、トップアスリートが通うようなトレーニングジムに参加させたり、とにかく高校野球以外の一流の方と接する機会を作る。それをチームに還元してくれたら、もっとチーム全体が良くなると思っています」

特にミニチームは、「秋を終えてから、より一層使っています」と田畑主将は話す。もちろん、志賀監督が狙っていた学年に関係なく、コミュニケーションを取れることもある。だが、それ以外にも効果が大きいという。

「県内とのライバルとの距離は明確ではないですけど、絶対に届く位置にいるので、チーム内競争でレベルアップしたい。でも、部員数が多い分、他責といいますか、他人事に考えてしまう選手が出てしまうんです。そうやって誰かに依存してしまうと、激しい競争は臨めない。そこで自分事に捉えてもらうのに、ミニチームは効果があると感じているので、上手く使っています」

東海大相模や横浜を絶対に倒してやろう

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