12月9日に今年で3回目を迎える現役ドラフトが開催される。過去2年は、細川 成也明秀日立出身/横浜→中日)、水谷 瞬石見智翠館出身/ソフトバンク→日本ハム)など、現役ドラフトを機に覚醒を遂げる選手を輩出してきた。ここでは、過去2年の現役ドラフトを振り返ってみたい。

過去2回は捕手、遊撃手の移籍が0

 これまで24人の選手が現役ドラフトで移籍したが、そのうち投手が15人と半数以上を占めている。投手の中でも、移籍前に先発を主戦場としていたのは、大竹 耕太郎済々黌出身/ソフトバンク→阪神)の他に、笠原 祥太郎(新津出身/中日→横浜)、中村 祐太関東第一出身/広島→西武)の3人のみ。

 野手では、内野手が3人、外野手6人となり、捕手は0。内野手の中でも、遊撃手はおらず、先発投手、捕手、遊撃手といった希少性が高いポジションは、現役ドラフトの市場に出にくいようだ。

 また、第1回現役ドラフトで、当時31歳の陽川 尚将金光大阪出身/阪神→西武)が指名されたが、陽川以外は20代の選手だった。最年少は同じく第1回現役ドラフトで移籍した当時プロ3年目の22歳・松岡 洸希桶川西出身/西武→日本ハム)。基本的に20代の選手が選出されることになりそうだ。

2年で半数近くが戦力外に

 移籍した24人のうち、既に10人が移籍先で戦力外・引退となっている。一方、第1回現役ドラフトで移籍した細川 成也明秀日立出身/横浜→中日)は、新天地でブレイクし、移籍2年目の今季はベストナインに輝いた。大竹 耕太郎済々黌出身/ソフトバンク→阪神)も2年連続で2桁勝利をマークするなど、新天地で躍進。

 第2回現役ドラフトでは、水谷 瞬石見智翠館出身/ソフトバンク→日本ハム)が大ブレイクを遂げた。ソフトバンク時代は一軍出場0だったが、今年は97試合に出場し、打率.287、9本塁打の活躍を見せた。

 投手では漆原大晟(新潟明訓出身/オリックス→阪神)、長谷川 威展(花咲徳栄出身/日本ハム→ソフトバンク)、中村 祐太関東第一出身/広島→西武)が自己最多の登板機会を得ている。また、佐々木 千隼日野出身/ロッテ→横浜)、鈴木 博志磐田東出身/中日→オリックス)もキャリアハイには及ばなかったが、前年より登板を増やし、復活の兆しを見せた。

 そのほか、北村 拓己星稜出身/巨人→ヤクルト)、オコエ 瑠偉関東第一出身/楽天→巨人)もレギュラー奪取には至っていないが、一軍で一定の出番を得ている。移籍先で結果を残せなかった選手も多いが、半数以上はチャンスを掴んでいる。

 今年の現役ドラフトもどのような選手が出てくるか、注目が集まる。

【一覧】現役ドラフト移籍選手

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