新基準バットが導入された2024年、飛距離が出にくくなった分、走力を押し出すチームが増えたのが現状だ。そうなると、大事になってくるのが走塁技術、そして選手自身の脚力が必要になってくる。

そうなってくると、選手それぞれの能力を引き出すスパイクは、必然的に軽量化がほしくなるところ。できるだけ軽いものを履いて動きやすくして、ちょっとでもスピードを上げたい。と同時に、練習では疲労を減らせるような、ケガを防げるようなクッション性に優れたスパイクが欲しい球児もいるだろう。

NPBでも、スパイクに足への負担軽減を求める選手はおり、先日開催されたミズノブランドアンバサダーミーティングに参加した千葉ロッテ・藤岡裕大内野手(岡山理大付出身)は、こんな話をしていた。

「練習用と試合用で履き分けていますが、練習用についてはポイントスパイク。試合用は厚底のSCソール(スーパークッションソール/ミズノ製クッションレボ採用ソール)を使っています。できるだけ疲れないようにしたい、というのがありますし、実際にそちらの方が疲れにくい感じがあります」

2025年から新規契約選手となった横浜DeNA・山本祐大捕手(京都翔英出身)も、キャッチャーというポジションの視点から「疲労感は付き物ですが、クッションレボを使っていれば、楽なので凄く良いです」と評価している。

そのクッションレボは、クッション素材・ミズノエナジーを厚くすることで、野球スパイクではいままでなかった厚底スパイクを実現。加えて、エナジーリターンという反発力も兼ね備えていることで、走りやすさも担保されている一足だ。

一方で、スパイクに対してこういった声も出ている。

「練習はもちろん、試合でも待機している時もずっと履いているスパイクなので、ちょっとでも負担がかからないものが良い。だから、僕はとにかく軽さですね」と、西武・平井克典投手(飛龍出身)はスパイクに対するこだわりを語る。仮に試合用と使い分けていたとしても、スパイクを着用している時間はかなり長い。その点を考慮すれば、できるだけ軽いスパイクの方が負担も少なくなるだろう。

現在のスパイク界隈を見渡せば軽量スパイクは主流。高校野球の現場からも軽いスパイクの需要は高いからこそであり、各メーカーが創意工夫を凝らして軽いスパイクを販売している。

ミズノからもこれまで数多くの軽量スパイクを販売してきたが、2024年シーズンに販売したライトレボシリーズは、かなり軽い。
重さは225グラブ(27センチ片方)という軽量感だが、足裏にULソールを採用することで、安定感と素足感覚を実現。特にソールの屈曲位置を見直したことで素足感覚を実現しているという。

縦横無尽に動けるような一足として、クッションレボとともに人気になっている軽量スパイクである。

クッション性と軽量感。選手によって欲しい機能は違うだろう。一番はケガをしにくい、ベストの一足を選ぶこと。それを見極めたうえで、店頭で見つけた時は手に取って見て欲しい。

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