ソフトバンクから戦力外通告を受けた三浦 瑞樹盛岡大付出身)、仲田 慶介福岡大大濠出身)がそれぞれ中日、西武でのプレーを決断した。ともにソフトバンクから育成契約を打診されていたが、退団を選択し、他球団で育成契約を結んだ。

契約を提示されながらも、退団を選択する選手が相次いだ背景には、過去の成功者の存在がありそうだ。

その第一人者となったのが、亀澤 恭平(作陽出身)だ。2012年育成2位で入団した亀澤は3年間で支配下には至らず、14年オフに規定により戦力外に。再度育成契約を打診されたが、中日から支配下のオファーを受けて移籍した。すると、中日で一軍デビューを果たし、移籍1年目は107試合、打率.269を記録。その後も一軍で出番を確保し、2018年には自己最多の110試合に出場するなど、レギュラー格として活躍した。

2016年育成2位入団の長谷川 宙輝聖徳学園出身)もソフトバンクで3年間プレーしたのち、ヤクルトから支配下のオファーを受けて移籍を選択した。ヤクルトでは移籍1年目にリリーフで44試合に登板。その後は故障に苦しんでいるが、24年は19試合に登板した。

2015年4位入団の茶谷 健太帝京三出身)もソフトバンクから戦力外、育成契約を打診されたが、ロッテで育成契約を結んだ。ソフトバンクでは17年に1試合に出場したのみ。ロッテでは19年オフに支配下登録されると、23年に79試合に出場し、打率.284を残した。今年も84試合に出場するなど、年々出番を増やしている。

また、ソフトバンクから契約を提示されなかった選手でも、小澤 怜史日大三島出身)、加治屋 蓮(宮崎・福島出身)などが他球団で活躍。現役ドラフトにおいても大竹 耕太郎済々黌出身)、水谷 瞬石見智翠館出身)と2年連続でブレイク選手を輩出している。

近年、多くの育成選手を抱え、選手層が厚いソフトバンクでは、一軍での出番に恵まれなかった選手が他球団での移籍を機に活躍するケースが相次いでいる。そうした選手の存在が三浦や仲田の決断を後押しした可能性がありそうだ。