12月4日、ヤクルトの新入団選手発表会が行われた。10月のドラフト会議で指名を受けた9名(支配下5名、育成4名)が一同に介し抱負を述べた。
そんななか、ドラフト1位の中村優斗(諫早農-愛知工業大)は、「開幕からしっかり投げられるように頑張っていきたい」と意気込んだ。
今シーズンのヤクルトは2桁勝利、規定投球回到達ともに1人もおらず、台所事情が苦しかった。現時点で中村の起用法はわからないものの、春季キャンプとオープン戦で結果を残せば開幕ローテーション入りもありえそうだ。
近年、ヤクルトにおける大卒ドラ1の投手は1年目にどのような成績を残してきたのだろうか。分離ドラフトが終了した2008年以降で振り返ってみた。
2008年から昨年までで、大卒ドラ1の投手は合計6人。そのうち1年目から白星を挙げたのは、杉浦 稔大(帯広大谷-国学院大-2013年1位)、原樹理(東洋大姫路-東洋大-2015年1位)、山下 輝(木更津総合-法政大-2021年1位)の3人だけしかいない。勝ち星を見ても杉浦と原はそれぞれ2勝で山下も1勝のみと苦戦している。
のちにセットアッパーとして優勝に大きく貢献することになる清水昇(帝京-国学院大-2018年1位)も1年目は未勝利で防御率も7点台と苦しんだ。木澤 尚文(慶応→慶応大→2020年1位)と西舘 昂汰(筑陽学園-専修大-2023年1位)は一軍で登板する機会もなかった。
このように近年のヤクルトの大卒ドラ1投手は、1年目に結果を残すことができていないのだ。もちろん選手によって育成方針が異なってくるため、1年目の結果がすべてではないが、最速159キロ右腕の中村には、前例を覆すような活躍を見せてほしい。
<ヤクルトの大卒ドラ1投手>
※2008年以降
杉浦稔大(帯広大谷-国学院大→2013年1位)
原樹理(東洋大姫路-東洋大-2015年1位)
清水昇(帝京-国学院大-2018年1位)
木澤尚文(慶応-慶応大-2020年1位)
山下輝(木更津総合-法政大-2021年1位)
西舘昂汰(筑陽学園→専修大→2023年1位)
中村優斗(諫早農→愛知工業大→2024年1位)