この秋、近畿大会で準優勝を果たした智弁和歌山(和歌山)で、大会を通じてチームNo.1の打率を誇ったのは、5番に座る山田 凜虎捕手(1年)だった。

和歌山大会では、3試合8打数1安打と結果がでなかったが、近畿大会では「開花」する。4試合すべてで安打を放ち、14打数8安打の打率.571をマークした。二塁打2本、三塁打1本と、長打は3本。初戦の神戸学院大付(兵庫)戦では第1打席から2打席連続の二塁打を放って見せた。

1年生ながら捕手を任され、中軸クリーンアップの5番に固定。捕手出身の中谷監督が信頼して起用している理由が分かる。

打席では自然体に構えて、耳元周辺のグリップをやや後ろを下げ、左足を上げてテークバックを取る。最短でバットを振り下ろすことを徹底しているようにスイングする。近畿大会では思い切り引っ張る打球というより、外角球にうまく対応し、逆方向への安打が目立った。パワーを秘めていながらも、ミート力を発揮して安打を放っている印象だった。

決勝の東洋大姫路(兵庫)戦でも、プロ注目の阪下 漣投手(2年)のやや外角よりの速球を、いとも簡単に右前安打にしてみせた。1年生とは思えない打撃技術に驚かされる。

近畿大会決勝では5人の1年生がスタメン出場。そのなかの一員として5番に座る山田凜が大会のチーム「首位打者」という実績を残した。来年、センバツ出場となれば、智弁和歌山の自慢の打線を引っ張る存在として注目される。

【山田凜の和歌山、近畿大会の打撃成績】

<和歌山2次予選>

1回戦(近大新宮)3打数1安打1打点

準決勝(日高)2打数0安打1打点

決勝(和歌山東)3打数0安打0打点

<近畿大会>

2回戦(神戸学院大付)4打数3安打2打点

準々決勝(滋賀学園)3打数1安打1打点

準決勝(市和歌山)4打数3安打0打点

決勝(東洋大姫路)3打数1安打0打点

(※すべて5番捕手でスタメン)