この秋、近畿大会の準決勝で、智弁和歌山(和歌山)の福元 聖矢外野手(2年)が、2打席連続アーチを放った。新基準バット採用後は、本塁打すら打つことが難しいとされる時代に、2打席連発の離れ業をやってのけた。
市和歌山との和歌山県対決。5回2死一塁で迎えた第3打席で、初球の高めの直球を強振すると、打球は高々と舞い上がり、ほっともっとフィールド神戸の右翼席で大きく弾んだ。力強いスイングと、ややアッパー気味ながら確実に芯で球をとらえた打球だった。
7回1死三塁で回ってきた第4打席は、変化球に対応した。カウント2-2からのやや抜けたような高めの変化球だったが、しっかりタメを作って泳がされることなく、振り抜いた。少しこすったような打球だったが、追い風にも押され、グングンと打球は伸びて2打席連続の本塁打。2本の2ランで4打点と、勝利に大きく貢献した。
左打席でバットは肩にかついで構える。リラックスした状態から、投球モーションに合わせて右足をすり足気味にして左足に重心を移して球を待つ。バットが少し浮いた状態から、素早くスイング。アッパー気味のスイングでとらえた打球は高く舞い上がる。長打力が期待できる打法だ。
今年の夏までのチームでは1番を任され、経験は豊富だ。この秋の和歌山県大会2次予選で放った4安打中2本は二塁打。近畿大会では3安打しか打てなかったが、そのうち2本が本塁打と、長打力に磨きがかかっている。今後、打率が上がってくれば、本塁打が打てる2番・強打者として、チームの打線に凄みを増すことができる。
この秋、本塁打をマークしたのはチームで福元だけ。強打者がそろう智弁和歌山のなかでも、存在感は一気に高まっている。来年春のセンバツの舞台でも、長打力発揮を期待したい。
【福元の和歌山、近畿大会の打撃成績】
<和歌山2次予選>
1回戦(近大新宮)4打数1安打0打点
準決勝(日高)4打数2安打1打点
決勝(和歌山東)4打数1安打0打点
<近畿大会>
2回戦(神戸学院大付)3打数1安打0打点
準々決勝(滋賀学園)3打数0安打0打点
準決勝(市和歌山)3打数2安打4打点
決勝(東洋大姫路)4打数0安打0打点
(※すべて2番右翼でスタメン)