この夏、甲子園初戦敗退に終わったが、近畿大会で準優勝に輝き、2年ぶりのセンバツへ前進した智弁和歌山。中学時代から注目されてきた選手が多く、順調にその才能を伸ばしてきた。

 【投手陣】

エースの渡邉 颯人投手(2年)は秋季大会43回を投げて、防御率0.00の好投を見せてきた。140キロ前半の速球を高低に投げ分け、変化球の精度も高い。その投球は同校ОBで来年のドラフト候補・中西 聖輝投手(青山学院大)の高校時代を彷彿とさせる。和歌山大会で最速152キロを計測した右の剛腕・宮口 龍斗投手(2年)も控える。さらなるスケールアップが期待される。

【野手陣】

 伝統の強打に加え、新基準に適応するために走塁にも力を入れた。その象徴が藤田 一波外野手(2年)だ。1年春からベンチ入りし、近畿大会では16打数5安打の活躍を見せた。俊足、堅守、バットコントロールを兼ね備えた外野手で、1番センターとしてチームを牽引した。中学時代、捕手だった福元 聖矢外野手(2年)は外野手に専念。近畿大会準決勝では2本塁打を放ち、才能開花の兆しが見えている。大型遊撃手として守備力が高い山田 希翔内野手(2年)、5番捕手として近畿大会で14打数8安打の活躍を見せた山田 凜虎捕手(1年)、4番荒井 優聖内野手(1年)は近畿大会で16打数7安打と結果を残し、期待が大きい左打者だ。

 霞ヶ浦戦の試合後、3年生に慰められながら控え室で取材対応していたのが、福元、山田希らの2年生だった。

 悔しさを乗り越え、来年は全国舞台でも躍動することができるか注目だ。

ベンチ入り選手

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