2024年も、残りあとわずかとなった。今年の高校野球界を各都道府県別に振り返り、1年間の球児の熱い戦いを思い出してみたい。

近年の宮城県では「王者」と呼んでもいい仙台育英は、今年も強さを発揮した。春は2019年から5大会連続(20年春は中止)となる優勝を収めた。秋も優勝し、10連覇した21年以来、3年ぶりに「王座」に復帰した。豊富な投手陣を武器に、県内での存在感は薄れることはない。夏までのエース、山口 廉王投手(3年)は、ドラフトでオリックス3位指名を受けた。

その仙台育英を夏に破って、春夏通じて甲子園初出場を決めたのが、聖和学園だった。初戦の東北学院戦で僅差の1対0の勝利。その後、接戦をものにして勝ち上がり、準決勝で仙台商に9対7で打ち勝った。そして決勝では、強力投手陣を誇る仙台育英相手に、19安打を放って打ち勝った。前年秋に宮城県で優勝していたメンバーが、春の準決勝で5回コールドの2対13の大敗を喫していた相手に屈辱を晴らし、見事に「王者」を倒して見せた。

昨年夏に準優勝した仙台城南が、今年の春も準優勝。古川学園は春8強、夏4強、秋準優勝と常に上位に顔を出した。その他、東陵東北学院榴ケ岡に加え、公立校の柴田の健闘も光った。

また、仙台育英と並ぶ名門・東北は、春は東陵に2回戦敗退、夏は仙台育英に3回戦敗退、秋は仙台一に県大会初戦で敗れた。まさかの結果に終わった強豪の、来年の巻き返しにも注目される。

24年宮城県大会結果

<春季>

優勝 仙台育英

準優勝 仙台城南

3位 聖和学園

4位 東北学院榴ケ岡

8強 東陵

8強 仙台南

8強 古川学園

8強 柴田

<夏選手権>

優勝 聖和学園

準優勝 仙台育英

4強 古川学園

4強 仙台商

8強 柴田

8強 古川学園

8強 東陵

8強 仙台東

<秋季>

優勝 仙台育英

準優勝 古川学園

3位 東北学院榴ケ岡

4位 石巻工

8強 仙台

8強 仙台一

8強 石巻西

8強 東陵