日本高等学校野球連盟のホームページによると、2024年7月時点で全国の高校球児は127,031人。1チームあたり3学年でおよそ33人という計算になっている。
2015年から減少が止まらず、2023年からは13万人を割っている。部員減少は、あらゆる学校、大会へ取材に行っても感じる大きな問題だ。
◆チーム紹介:千葉に現れた4年目の新進気鋭の実力校 光英VERITASが迎えた転換期 を読む
見返してやる、負けないぞという気持ちを持った選手たちが入学
そんな現代の高校野球界において、2学年59人で活動しているのが、千葉県松戸市に学校を構える光英VERITASである。
聖徳⼤学附属⼥⼦中学校・⾼等学校が2021年に共学化されたことで誕生した創部4年目のチーム。まだ歴史の浅い新鋭校だが、それだけの選手が来ていることに「野球人口が減っている中でありがたいです」と話したのが指揮官の舘野文彦監督だ。
40年以上、県内の様々な公立校で指導にあたり、2021年より光英VERITASの指揮官に就任。3年目の2023年の夏の大会ではベスト16進出を果たした。
残念ながら2024年の夏は3回戦で東海大市原望洋に0対1で惜敗し、秋も予選で敗れたが、「今年のチームは、先輩たちの良いところを引き継ぎながら、悪いところは改良できている」と、チームの伝統は徐々に形作られつつあるようだ。
とはいえ、他校に比べれば歴史も実績もまだまだ足りない。これからのチームながら、2学年で59人。しかも、「うちで野球をやりたい、ということで1年生だけで40人来てくれた」という。
多くの選手たちが光英VERITASの門をたたいてくる。それはどうしてなのか。
「最近は、中学時代に目立つことが出来なかった選手が、『高校で見返してやる。負けないぞ』という思いで来てくれているところもあります。でも、『少しでも野球をやりたい。正直、光英VERITASじゃなかったら、高校野球をやりません』っていう選手が結構いるんです」(舘野監督)
そう舘野監督が話すと、続けて「最初は『本当にあるかな』って感じで探していたそうですよ」と言って主将・森川嵩広捕手(2年)のことを語る。
「中学2年生の後半から中学3年生までは体調不良で学校も、クラブチームにも行けなくなってしまったそうなんです。だから苦労してきたと思いますし、もしかすると、野球は諦めかけていたかもしれないんです」