2025年が幕を開けた。昨年の高校野球界を各都道府県別に振り返り、1年間の球児の熱い戦いを思い出してみたい。

夏に勝ち上がるのは難しい。昨年の長崎大会を振り返ると、そう痛感させられる。23年秋、24年春と、新チーム結成後の長崎県の公式戦では、長崎日大海星がともに決勝を戦い、いずれも長崎日大が勝利していた。秋春連覇の長崎日大海星の「2強」が軸となって、夏も大会が進んでいくと思われたが、「波乱」が待っていた。

秋の決勝・海星戦で4安打完封を演じるなど、プロ注目右腕の西尾 海純投手(3年)を擁する長崎日大は、準々決勝で姿を消した。初戦から2戦連続して無失点に抑えていたが、準々決勝の長崎総大付に0対1で敗戦。大会を通じて唯一の1失点だけで大会を去った。

秋春ともに準優勝の海星は、初戦で鹿町工に0対1で敗れ、18年ぶりの初戦敗退となった。優勝候補の打線は5安打しか打てず、無得点で最後の夏を終えた。長崎日大海星も、得点が奪えずに敗戦。打線は「水もの」と言われるものの、あまりにもつらい悲劇だった。

夏を制したのは創成館だった。春は長崎日大に1点差の惜敗を喫しての3位だったが、夏に照準を合わせて、2連覇を達成した。23年夏の甲子園マウンドを経験した村田 昊徽投手(3年)が、決勝で2安打完封劇。再び聖地へとチームを導き、甲子園初戦では6安打完封の好投も見せた。

秋は海星が6季ぶり33回目の優勝を果たしたが、大会の「主役」は準優勝した壱岐だったかもしれない。3回戦で島原中央、準々決勝で夏甲子園出場の創成館、準決勝では大崎を破って決勝に進出。創部49年目、長崎県の離島の高校としては初めてとなる九州大会に出場し、記念すべき1勝を挙げている。21世紀枠の九州地区候補校として推薦され、今センバツ出場に望みをつないでいる。離島の夢はかなうか。

24年長崎県大会結果

<春季>

優勝 長崎日大

準優勝 海星

3位 創成館

4位 鎮西学院

8強 九州文化学園

8強 島原中央

8強 瓊浦

8強 長崎総大付

<夏選手権>

優勝 創成館

準優勝 清峰

4強 長崎総大付

4強 大崎

8強 長崎商

8強 九州文化学園

8強 長崎日大

8強 鹿町工

<秋季>

優勝 海星

準優勝 壱岐

3位 波佐見

4位 大崎

8強 長崎商

8強 創成館

8強 長崎西

8強 小浜