昨年夏の甲子園で4強に入った青森山田(青森)は、新チームとなった昨年秋の東北大会で準優勝を果たし、今年のセンバツ出場をほぼ手中に収めている。悲願の初優勝へ向けて、自慢の投手陣に欠かせないのが、独特の横手投げ右腕・菊池 統磨投手(2年)だ。

青森山田は青森大会、東北大会の計9試合、投手陣はすべて継投で臨んだ。それも「三本の矢」として、乕谷 朔ノ助投手(2年)がすべて先発し、2番手は菊池統が務め、最後は下山 大昂投手(2年)で締めている。乕谷と下山は右腕。その間に、サイドスローの菊池統が相手打線の目線を変える重要な役目として登板してきた。

181センチ、70キロと長身で細身の体格を、柔らかく使ってサイドから投げ込む。直球の球速は140キロに満たないながらも、微妙に変化して、打者を打ち取る。また、右打者の内角に食い込むシンカー系の変化球も効果的で、空振りを奪うことができる。昨年秋の9試合に登板して、27回で27奪三振をマーク。横手ながら「ドクターK」と呼んでもいいほど、三振を奪える投手なのだ。防御率も1.00と、実に安定していた。

昨年夏の甲子園でも登板し、1試合(石橋戦)でリリーフし、2回を投げて無安打無失点。2三振を奪うなど、右打者、左打者ともに、打ちにくい投手として立ちはだかった。今センバツの舞台でも、「つなぎ」の2番手として、サイドスローからの奪三振ショーが見られるかもしれない。

【菊池統の青森、東北大会の投手成績】

<青森大会>

2回戦(八戸東)1回0安打1三振0失点

3回戦(弘前南)3回0安打4三振0失点

準々決勝(八戸工大一)3回2安打3三振2失点

準決勝(弘前学院聖愛)3回1安打2三振0失点

決勝(八戸学院光星)3回0安打3三振0失点

<東北大会>

2回戦(古川学園)5回2安打6奪三振0失点

準々決勝(東日大昌平)3回0安打3奪三振0失点

準決勝(花巻東)3回3安打3三振1失点

決勝(聖光学院)3.0回3安打2三振0失点

(登板はすべて救援)