東東京の名門・帝京の安部 育規外野手（3年）が大阪工業大に進学する。

　安部は筋肉質で引き締まった体からパワフルな打撃を見せるスラッガー。昨年の帝京打線は、中軸のみならずどこからでも一発を打てる強力打線を形成し、春季東京都大会連覇、夏の東東京都大会準優勝に輝いた。下位打線を任されることが多かった安倍も春季東京都大会で2本塁打を記録するなど、抜け目の無い打線を支えた。

　衝撃が走ったのは春季関東大会初戦の鹿島学園戦。猛打の帝京として注目を集めていた中、関東の舞台でも勢い止まらず1試合4発で7回コールド勝ちを収めた。中でも存在感を放ったのが安部だった。1点リードを許して迎えた5回に打席が回ると、「先頭だったので、長打を狙っていた」と、2球目のチェンジアップを振り抜いて同点弾。さらには、6回にも走者を2人を置いた状況から甘く入った直球を捉えると、打球はぐんと伸びて2打席連発弾となる本塁打で試合を決めた。試合後には、「金田 優哉監督から『2本目狙ってこい』と言われました。気楽に入ったところに甘く入った球を捉えることができました」と会心の一打を笑顔で振り返っていた。

　惜しくも13年ぶり甲子園出場とはならなかったが、帝京の復活を印象付ける一年となった。進学が決まった大阪工業大は昨秋に9季ぶりとなる1部舞台でプレー。勢いに乗るチームでさらなる飛躍を遂げるか注目だ。