昨秋の近畿高校野球大会で打率8割近くをマークした左打者がいた。8強入りを果たした大阪学院大(大阪)の1番打者・朝田 光理外野手(2年)は、2試合で9打数7安打を放ち、打率は.778。初戦で5打数4安打、準々決勝では4打数3安打だった。
朝田の打席内容は以下の通り。
1回戦 北稜(京都)戦 右飛 右安 中安 左2、一安
準々決勝 東洋大姫路(兵庫)戦 二ゴ 中安 中安 中安
東洋大姫路戦では、最速147キロのプロ注目の右腕で、全国でも屈指の好投手と評される阪下 漣投手(2年)から3安打を放った。阪下が昨秋、近畿大会、明治神宮大会を通じて、1人の打者に3安打を許した唯一の打者だった。
3安打ともに中前安打だった。打席ではリラックスしているように軽く構え、グリップは体から前方へ、やや遠ざけている。投球モーションと同時に、右足を大きく上げて「間合い」を取る。グリップをしっかり固定して、投球に合わせるように、素直にバットを出している。阪下からの1安打目は変化球を、3安打目は高めの直球を同じように、狙いすましたように中前へ運んだ。フルスイングはない。すでに「職人技」を習得しているような印象を持ってしまう。
大阪大会準々決勝から3位決定戦までの3試合も、すべて安打を放った。敗れはしたが、大阪桐蔭との準決勝では、最速150キロのプロ注目右腕・中野 大虎投手(2年)から安打を放っている。
近畿大会4強に入れず、センバツ出場へは微妙な状況だが、たぐいまれな打撃センスの持ち主を、甲子園で見たい気持ちにもなる。
【朝田の近畿大会の打撃成績】
1回戦(北稜)5打数4安打0打点
準々決勝(東洋大姫路)4打数3安打0打点
(ともに1番左翼でスタメン出場)