日米通算200勝まであと3勝に迫った田中 将大投手(駒大苫小牧)。巨人での先発ローテーション争いに勝たなければ、偉業達成の道もない。ライバルの一人である伊藤優輔(小山台)の人的補償でのソフトバンク移籍が決まったが、まだまだ先発ローテーション争いはし烈である。
まず不動のローテーションは以下の3人だろう。
戸郷 翔征(聖心ウルスラ) 26試合 180回 12勝8敗 156奪三振 防御率1.95
山崎 伊織(明石商) 24試合 147.1回 10勝6敗 103奪三振 防御率2.81
グリフィン 20試合 116.2回 6勝4敗 126奪三振 防御率3.01
昨季は上記3人に加え、15勝の菅野智之投手(東海大相模)の4人が中心だったが、菅野がMLBにFA移籍したため、残り3枠を田中は争うことになる。
4枠目の有力候補は、来年6年目を迎える井上温大投手(前橋商)だ。24年は8勝5敗、防御率2.76も大躍進を果たしたが、まだ実績はこの1年だけ。しかし、キャンプ、オープン戦を故障離脱することなく、順調にこなせば、開幕ローテーションは確定だ。
田中は5枠目、6枠目で争うことになりそうだ。ライバルとなるのは赤星 優志投手(日大鶴ケ丘)、堀田 賢慎投手(青森山田)、横川 凱投手(大阪桐蔭)だ。制球力が優れた赤星は21試合、9先発、1勝7敗、防御率3.12、直球の威力で勝負する堀田は17試合で3勝3敗、防御率2.45、技巧派左腕の横川は12試合中、3試合に先発し、3勝1敗、防御率0.94だった。
中継ぎから転向する投手たちも争いに加わる。その中で筆頭候補に挙がるのが23年のドラ1・西舘勇陽投手(花巻東)だ。1年目は開幕一軍入りし、28試合で20ホールドをあげたが、二軍では10試合中、9試合に先発し、38.2回を投げ54奪三振、防御率1.40とファームでは卒業級の成績で、あとは一軍で経験を重ねるだけの段階に入った。
田中が若手に負けない投球をするためには、長年培った投球術で勝負するべきだろう。37歳となる25年シーズンはかつてのような常時150キロ超えのストレートは望めない。緻密な投球術でストライク先行の投球を行い、要所では精度の高いストレート、変化球を投げて、痛打を避ける投球スタイルを期待したい。ストレートは140キロ台でも、回転数、回転効率など数値的なものは高い数字を見せたいところだ。技巧派のスタイルでも質の高いストレートを投げられることが重要だ。
2月の春季キャンプでは多大な注目を浴びるであろう田中。実戦登板の機会ではキャリアの違いを見せる投球を魅せて、巨人ファンをワクワクさせることを期待したい。