昨年秋の近畿高校野球大会で、滋賀学園(滋賀)が大阪桐蔭(大阪)を破って8強入りを決めた。3対2の逆転勝ちだったが、2失点完投勝利でチームに貢献したのが、エース右腕の長﨑 蓮汰投手(2年)だった。

186センチの長身から、球速こそ130キロ台ながらキレのある速球を投げ、大阪桐蔭打線を7安打2失点(自責1)に抑えて見せた。4回に2点を失って一時は逆転を許した形となったが、5回以降は打たせて取る投球が冴え、連打を許すことなくピンチを切り抜けた。

大きな武器となっているのが、ブレーキの鋭いカーブ。長﨑の生命線ともいえ、勝負球でもあり、カウントを整える球としても幅広く使っている。制球力も安定していて、近畿大会2試合12.2回を投げて、与えた四球は2。あまり力みのない、スムーズなフォームも安定したコントロールを生んでいる。

昨秋の滋賀大会初戦で、先発6回1安打無失点の好投を見せるなど、すでにプロのスカウトも注目しているという。昨年春にはエースナンバーをつけて注目されながら、夏は13番となり登板機会はなし。その悔しさを秋にぶつけた。

昨夏に立てなかった聖地のマウンドに立てるのか。チームメートとともに、センバツ発表の24日の吉報を待つ。

【長﨑の近畿大会の投手成績】

1回戦(大阪桐蔭)先発9回7安打1奪三振2失点(自責1)

準々決勝(智弁和歌山)救援3.2回5安打0奪三振1失点