18日、ポスティングシステムでMLB移籍を目指していた佐々木 朗希投手(大船渡)が、ドジャースとマイナー契約を結ぶことを自身のSNSで発表した。同球団は昨季4年ぶりにワールドシリーズを制し、大谷 翔平選手(花巻東)、山本 由伸投手(都城)らWBCでも共闘した日本人も所属している。
佐々木のメジャー移籍で注目されたのは、契約金や年俸に制限がかかり、マイナー契約しか結べない「25歳ルール」の対象選手だったこと。23歳の若さで海を渡る決断を下したわけだが、同世代には早くからNPBで実力を発揮している投手も多い。
佐々木世代で圧巻の成績を残しているのが、オリックスの宮城 大弥投手(興南)だ。入団2年目から3年連続で2桁勝利をあげ、リーグ3連覇と26年ぶりの日本一に貢献している。昨年は2桁勝利に届かなかったものの、既に侍ジャパンのエース左腕として国際大会でも活躍を見せている。
同じく左腕では、西武・武内 夏暉投手(八幡南ー国学院大)と巨人・井上 温大投手(前橋商)が昨シーズン存在感を示した。武内はドラフト1位で入団し、ルーキーながら2桁勝利を挙げて新人王に輝いた。昨秋行われたプレミア12の最終候補に選出されたと報道されており、将来的な侍ジャパン選出も間違いないと言っていいだろう。また井上も昨年8勝を挙げ、大きく飛躍を遂げた一人。綺麗な投球フォームから伸びのある直球とチェンジアップを巧みに使い、三振を奪えることも魅力だ。代表初選出となったプレミア12でも開幕戦を任され、6回途中2失点8奪三振の好投を見せていた。両左腕ともまずは2年続けて好成績を残し、今後のさらなる飛躍に繋げたいところだ。
右腕では、侍ジャパンの選出経験を持つロッテの横山 陸人投手(専大松戸)も43登板で1.71と好成績を残した。サイドから投げ込まれる最速156キロの直球は、相手打者にとって脅威となる。他にも昨季33登板で0.76と阪神のブルペン陣を支えた富田 蓮投手(大垣商―三菱自動車岡崎)、巨人にドラフト1位で入団し、20ホールドを記録した西舘 勇陽投手(花巻東―中央大)らにも注目だ。
一方、佐々木と同世代でドラフト1位指名を受けた阪神の西 純矢投手(創志学園)は苦しんでいる。3年目に6勝、翌年も5勝をマークしたが昨季は0勝に終わった。藤川 球児新監督は秋季キャンプで直接指導を行うなど、潜在能力を高く評価している。新体制のもとで殻を破る活躍を見せられるか。また、ヤクルト・奥川 恭伸投手(星稜)も2年目に9勝を挙げたが、怪我もあり白星から遠ざかっていた。昨年980日ぶり白星を掴み取り、お立ち台では涙を見せた。シーズンを通して3勝と、復活の兆しを見せている甲子園のスターの投球から目が離せない。
他にも武内、西舘と共にドラフト1位指名を受け、”東都7人衆”と称された広島の常廣 羽也斗投手(大分舞鶴―青山学院大)、日本ハム・細野 晴希投手(東亜学園―東洋大)、1年目から5勝を記録した古謝 樹投手(湘南学院―桐蔭横浜大)ら、潜在能力の高い選手が揃う。佐々木に続き、メジャー移籍を掴む同世代の選手が現れるのだろうか。