広島はオリックスにFA移籍した九里 亜蓮投手(岡山理大付-亜細亜大)の人的補償で金銭を選択した。現在の支配下枠は68人だが、新外国人選手の獲得を示唆しており、70人の支配下枠に余裕がない状態だ。
支配下枠の圧迫は、人的補償で有望な選手を獲得できなかっただけでなく、シーズン中の戦力補強も限られる。昨年は佐藤 啓介(中京大中京 - 静岡大)と岡田 明丈(大商大高 - 大阪商業大)をシーズン途中で育成から支配下登録したが、仮に外国人選手を追加補強した場合、今年は11人いる育成選手から1人しか支配下に登録できないことになる。
今年の広島で育成から支配下契約を勝ち取るには狭き門となるが、筆頭候補に挙げられるのが、2年目を迎える杉田 健(日大三島-日大国際関係学部)だ。ルーキーイヤーの2024年は、主に先発として二軍で18試合(69回1/3)を投げ、2勝5敗、防御率3.12をマークしている。
189センチの角度から投げ込まれるストレートが魅力だが、スライダー、カットボール、カーブ、スプリットと多彩な球種を持っており、与四球率2.86と制球面も安定している。九里の移籍により、チームの先発投手が不足してくるならば早期の支配下が見込まれそうだ。
野手では育成4年目の前川 誠太(敦賀気比)、3年目の名原 典彦(瀬戸内-青森大)らが候補になる。
前川はプロ入りから2年間、二軍で打率1割台と苦しんでいたが、昨年は打率.277、3本塁打、13打点と急成長を遂げた右打ちの内野手。二遊間に加えて、外野を守るユーティリティー性が光る。
外野手の名原は、昨年二軍で72試合に出場し、打率.256、11盗塁を記録した。俊足を活かした外野守備の能力も高い。
そのほか、一軍登板経験もある小林 樹斗(智弁和歌山)や育成3位ルーキーの安竹 俊喜(静岡高-静岡大)など11選手が支配下枠を争うことになる。
<広島育成選手の昨シーズンの二軍成績>※はプロ1年目
【投手】
杉田 健(日大三島―日大国際関係学部) 18試合(69回1/3)、2勝5敗、防御率3.12
辻 大雅(二松学舎大付) 13試合(12回1/3)、0勝1敗、防御率5.84
小林 樹斗(智弁和歌山)18試合(18回2/3)、1勝2敗、防御率5.30
【捕手】
【内野手】
前川 誠太(敦賀気比) 64試合、打率.277、3本塁打、13打点、3盗塁
ラミレス 43試合、打率.162、2本塁打、11打点
【外野手】
名原 典彦(瀬戸内―青森大) 72試合、打率.256、0本塁打、10打点、11盗塁
ロベルト 62試合、打率.203、2本塁打、16打点、4盗塁