今年の第97回選抜高校野球大会(センバツ)の出場校を決める選考委員会が、いよいよ24日に開催される。今年の32校はどんな顔ぶれとなるか。今回は、東海枠の出場校を予想してみる。

東海地区の出場枠は3校。昨年秋の東海大会で優勝した大垣日大(岐阜)と、準優勝だった常葉大菊川(静岡)の2校は問題なく選出されるだろう。

昨年秋、岐阜を制した大垣日大は昨夏の甲子園に出場した中京大中京(愛知)を延長10回タイブレークの末に破ると、岐阜第一(岐阜)を0対5から逆転勝ち。常葉大菊川にも逆転勝ちを収めるなど、粘り強さと勝負を諦めないナイン全体のメンタル面の強さが光った。

常葉大菊川は静岡で優勝すると、中京(岐阜)、至学館(愛知)と立て続けに逆転勝ちして、決勝へ上り詰めた。両校とも東海を代表するチームとして胸を張れる。

注目は3校目。4強に入ったのは至学館岐阜第一で、どちらかの選考となりそうで、両チームの戦力的データを比較してみた。

<防御率>

至学館 2.50(2試合5失点5自責)

岐阜第一 1.96(3試合8失点5自責)

<奪三振>

至学館 4(2試合)

岐阜第一 14(3試合)

<与四死球>

至学館 3四球3死球(2試合)

岐阜第一 5四球0死球(3試合)

<失策>

至学館 1(2試合)

岐阜第一 3(3試合)

<得点>

至学館 6点(2試合)

岐阜第一 21点(3試合)

<打率>

至学館 .281(57打数16安打)

岐阜第一 .304(92打数28安打)

<長打>

至学館 本塁打0、三塁打0、二塁打1(2試合)

岐阜第一 本塁打0、三塁打1、二塁打6(3試合)

<犠打>

至学館 7犠打、0犠飛(2試合)

岐阜第一 5犠打、0犠飛(3試合)

データでは、打率、長打力、得点力でやや上回っている岐阜第一が攻撃力で優位に立っている。

投手力では、防御率、奪三振で岐阜第一が数字上を行くが、左腕エース・水野 匠登投手(2年)の力によるところが大きい。1年生バッテリーの至学館も尾﨑 陽真投手(1年)が完封勝利を挙げるなど、安定した力を見せている。

打線では、岐阜第一の永安 弘和捕手(2年)が打率5割超えをマークするなど好調。1ケタの背番号9人中、6人が1年生の至学館では、2人の2年生が4割を超える打率を記録して奮起した。

戦いぶりでは、岐阜第一は2試合でコールド勝ちし、優勝した大垣日大に1点差で敗れた。至学館は完封ゲームと1点差での敗退だった。攻撃力を発揮した岐阜第一が目立つが、戦いぶりとしては大きな差はない。

地域性の観点が問題で、岐阜第一は5点差をひっくり返されて大垣日大に逆転負けした。岐阜大会でも対戦したが、0対6で敗れていることも気になる。岐阜大会では県岐阜商に勝利したが、3位での東海大会出場だった。同じ岐阜から2チームを選出するには、少々条件が厳しいようにも思える。至学館は愛知で初優勝しているのが強みで、決勝でも中京大中京との競り合いを制して勝負強さを見せている。中京大中京は東海大会で優勝した大垣日大と延長戦の末に敗れるなど実力が互角だったことは、至学館には追い風ともいえる。

2017年以来、8年ぶり2度目の至学館か、24年ぶり5度目の岐阜第一か。東海大会での戦力的なデータでは岐阜第一に軍配が上がりそうだが、地域性を加味して総合的に判断した場合、至学館に軍配が上がりそう。

過去には、東海大会で準優勝した聖隷クリストファー(静岡)が選出されなかったという、「サプライズ選出」もあった東海地区。さすがに8強チームに広げて選出されることはないだろうが、今年の選考も注目を浴びそうだ。

過去の東海地区センバツ出場校

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