今のところ、内容では滋賀短大付が優勢。大阪学院大高は地域性で選出されるシナリオが現実的だ。

 センバツの選出ガイドラインでは、「作戦の徹底、粘り強い試合運び、フェアプレー、マナー」が選考のポイントとなっている。

近畿の学校を取材する記者によると、滋賀短大付はかなりマナーの良いチームだという。イニング間の全力疾走も怠らず行っている。


滋賀短大付ナイン

 履正社を破った試合を振り返ると、先制は想定内で、粘り強く試合をして、相手が自滅するのを待つゲームプランを建てた。6回裏に相手投手が合計4四球を与え、ここから畳み掛け、4得点。さらにエラーもあり、履正社が自滅する形で試合をモノにした。履正社はドラフト候補を揃える大阪桐蔭投手陣を攻略した強力打線。これをわずか1失点に抑えた左腕・櫻本 拓夢投手の投球術も見事だった。滋賀短大付が選ばれるには、戦術の徹底・マナー面・守備力がどれだけ評価されるのかがポイントになる。

大阪学院大高のエース・下條

 一方、大阪学院大高は2試合18回で4失点に抑えた技巧派右腕・下條 晃大投手(2年)が軸となる。打者では朝田 光理主将が2試合で打率.776を記録しているが、打線では18イニングで1得点。2試合で5得点を記録した滋賀短大付と比べると落ちる。

 試合内容、近畿大会で残したインパクトが滋賀短大付に劣る大阪学院大高が選出されるには地域性しかない。

 センバツの選考では「複数の学校が並んだ場合はできるだけ多くの都道府県を選ぶ」という考えがある。つまり、大阪学院大高滋賀短大付の戦力は互角と見て、地域性で選ぶという考えだ。確かに、双方の準々決勝の試合を見ると、大きな戦力差はなかった。

 大阪学院大高は個々の打者の打力、潜在能力は滋賀短大付より若干上回るので、打力が上回り、地域性を考慮して選出するというパターンの可能性はある。

 地域性で選ばれたケースとしては22年のセンバツがある。四国・中国の比較枠で倉敷工(岡山)が明徳義塾(高知)を抑えて選出されたことがあった。大阪学院大高を見出す場合、何を選出のポイントにするのか注目が集まる。

 金星を挙げた滋賀短大付か、それとも大阪連続出場の最後の希望となった大阪学院大高か。どのような理由でどの学校が選ばれるのか。注目したい。