関東4校を比較する際、試合内容、潜在能力、戦術、立ち居振る舞い、地域性の5つがポイントになる。地域性は評価が同じ学校が並んだ場合、多くの都道府県から出すということだが、どの基準にしても決め手がないというときに選ぶ最終手段だ。

 過去6年の選考経過を振り返っていきたい。

【19年】

横浜(神奈川)、東海大菅生(東京)が争い、当時の横浜のエースだった及川雅貴投手(阪神)の奪三振率の高さが評価された。

【20年】

花咲徳栄(埼玉)、帝京(東京)が争い、花咲徳栄の投手力が帝京を上回り、選出された。

【21年】

東海大相模(神奈川)、日大三(東京)が争い、東海大相模のエース・石田隼都投手(巨人)の投球とバントを絡めた攻撃が評価され、選出された。バント攻撃では、関東大会初戦の石橋戦の6回表に3人連続セーフティーバントを成功させ、コールド勝ちにつなげた場面を挙げた。

【22年】

二松学舎大付(東京)、東海大相模(神奈川)が争い、二松学舎大付が優勝まであと一死までというところから逆転負けを喫したが、接戦を演じた試合内容とエース布施 心海投手(青山学院大)の安定感が決め手となった。

【23年】

二松学舎大付(東京)、横浜(神奈川)が争い、二松学舎大付の打撃力を評価され、2年連続で東京2枠目の選出となった。

【24年】

まず関東5枠目の争いが激戦で、準々決勝で接戦を演じた桐光学園(神奈川)と中央学院(千葉)の争いとなり、僅差で中央学院が関東5枠目となり、東京準優勝の創価が東京2枠目に選ばれ、この2校で比較枠が争われた。中央学院が準々決勝の健大高崎戦で好投手・佐藤龍月投手から11安打を放った攻撃力の高さが評価された。

 年によって選手個人の評価、投手力での評価、突出した戦術面の評価、打撃力の評価と基準がバラバラである。昨年の関東大会、東京大会決勝戦の試合内容で見ていくと、大量点を挙げたチームもないので、打撃力で優劣をつけるのは難しい。また19年の及川、21年の石田のような強烈な実力を持った投手もいない。

 今年は投手を中心とした守備力で優劣がつけられるのではないか。

横浜に善戦した東農大二の選出が一番シンプル

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