この投手力・守備力を基準にして関東5校目を選出すると、2点差で惜敗した東農大二、つくば秀英となる。東農大二の強みはエース・山田 琉聖投手(2年)の三振奪取能力の高さ。他の3校と比べると個人の活躍を選出理由にできるチームだ。
山田は関東大会では14回を投げて、16奪三振。初戦の帝京三戦では7四死球と大荒れだったが、準々決勝で横浜相手に7奪三振を記録した投球のほうが印象に強い。群馬大会でも準々決勝以降の3試合で14.1回を投げて、17奪三振。群馬大会での投球を関東大会でも発揮できたのも評価が高い。速球も140キロ台に達し、スライダーのキレも秀逸。横浜相手に快投したことで甲子園でブレイクできる可能性を持った投手といえるだろう。
また守備も関東大会2試合17イニングでわずか1失策。準々決勝敗退4校の中で東農大二が有利だ。関東でも優勝した横浜相手に0対2と接戦を演じ、エース山田を筆頭とした投手力、守備力が4校の中で最も上回るチームという選出理由で5枠目に選ばれると見ている。他の3校と比べると、選出理由がシンプルで、分かりやすい。
山田 琉聖(東農大二)
同じ群馬の健大高崎が選出確実で、県2位だから不利という意見もあると思うが、純粋に関東大会での内容をしっかりと評価して、選考するべきだ。
つくば秀英、山梨学院、佐野日大の3校は東農大二に関東大会での内容面で劣るため、潜在能力、取り組む姿勢など、他の要素で評価される必要がある。
つくば秀英は初戦で逆転勝利を挙げ、3投手の継投策で勝利。準々決勝の浦和実戦でも3投手の継投リレーをみせ、140キロ右腕の羽富 玲央投手(2年)を最後に持って行く方程式で粘り強く勝ち上がってきた。傷口を広げない試合運び、投手力、守備力が東農大二と同等と評価されれば、地域性として選ばれるチャンスはある。
山梨学院は準々決勝の試合内容、守備力が基準になると不利だ。準々決勝では9四死球を与え、5失点。2試合で計5失策もともに2試合1失策の東農大二、つくば秀英と数字面では見劣りしてしまう。
ただ秋全体の戦いを振り返ると、県では昨夏甲子園出場の主力が残る日本航空に勝利し、関東大会では初戦で東海大相模を延長の末、破った試合運び、打撃力が強みとなるだろう。23年センバツ優勝、24年センバツベスト8と着実に実績を残し、出場すれば、甲子園でも躍進が期待できる将来性、選手の総合力を評価すれば、関東5枠目の可能性はある。
コールド負けの佐野日大は他の3校に比べれば試合内容は劣るため、健大高崎の剛腕・石垣 元気投手から長打で3点を奪った攻撃力が全面的に評価されればチャンスはあるかもしれない。
毎年、大きな注目が集まる関東・東京の選考。24日は選考選考委員会からどのような理由でセンバツ出場校を選ぶのか、注目だ。