1月24日、第97回選抜高等学校野球大会の出場校が発表される。まず21世紀枠の出場校が決まるが、有力候補として期待されているのが壱岐(長崎)だ。壱岐島(いきのしま)にある県立校で、部員21名は全員島育ちだ。島外への移動はフェリーとバス移動が基本で、長崎県内の大会の移動だけでも約30万円ほどかかるといわれている。
そんな環境下で、昨秋は九州大会ベスト8と躍進を遂げた。県大会を振り返ると、3回戦で島原中央、準々決勝で昨夏甲子園出場の創成館、準決勝で大崎をいずれも完封勝利で撃破した。海星との決勝戦では4対6と接戦を演じた。
春秋通じて初出場となった九州大会では、初戦で熊本の専大熊本に勝利して8強入りを決めた。大会のたびに膨大な経費がかかる困難な環境を克服したことが評価され、九州の21世紀枠に選出された。壱岐はいわゆる「離島枠」の学校。01年からスタートした21世紀枠で離島枠として選出されたのは、03年の隠岐(島根)、11年の佐渡(新潟)、14年の大島(鹿児島)、16年の小豆島(現・小豆島中央・香川)の4度のケースがあるが、壱岐は小豆島以来、9年ぶりの離島枠選出を狙うことになる。
直近の出場となった小豆島は壱岐と似たケースで、部員19名で、15年の秋季香川県大会優勝。決勝では後に神宮大会優勝を収める高松商に勝利したことも評価され、当時のセンバツ前の選考でも本命視されていた。
壱岐は小豆島パターンで選ばれるのか。21世紀枠の選考は各都道府県の高野連理事長がプレゼンを行う。長崎高野連の理事長のプレゼンが21世紀枠特別委員会の心に響くものになるのか。