3月18日から始まるセンバツ。今年も世代を代表する剛腕投手が数多く揃ったが、剛腕投手の基準がいつの間にか相当上がったと思う人もいるのではないか。

もはや140キロをマークして当たり前。ドラフト候補、世代を代表する投手くらいになると、150キロ近い数字が出てから評価されているといっていいだろう。
数年前であれば150キロをマークすれば大騒ぎ。140キロを出すことは、決して容易ではなかった。

ひとえに選手たちの体づくり、技術向上の賜物ではあると同時に、球速に対するこだわりは、年々強くなっているといえるだろう。

NPB選手たちの心も揺さぶるグラブ

そんな選手たちの希望を叶えるようなグラブが、ミズノから2月に発売されることになった。その名はSPEEDREVO(スピードレボ)。

これまでにはなかったようなデザインからも、「何か凄そう」というワクワク感があるスピードレボ。その高揚感を、より盛り上げてくれるデータが出ている。ミズノの独自調べにはなるが、スピードレボを使って球速を測ると、通常よりも約0.34キロ向上したという。※1

グラブを変えただけで、自身のパフォーマンスが向上する。夢のような道具に、ミズノの契約選手であるヤクルト・田口麗斗投手(広島新庄出身)はこう表現した。

「スピードレボを使うだけで球が速くなるなんて、ゲームのアイテムみたいなグラブだと思います。言葉だけの説明では現実味がないと思うんですが、最高のアイテムになると思います」

一流選手も太鼓判を押すスピードレボ。ますます興味深いグラブに期待しているのは、企画開発を担った茂木結矢さんも同じだ。

「球速がすべてではないのはわかっていますが、すごく大事な要素で、大きなニーズだと思っています。だからこれまでスパイクやベルト、トレーニング器具でMA-QやMOI-75を販売して、うまくなりたい投手をサポートしてきました。
今回はグラブですが、球速を上げたい球児の気持ちに寄り添って作ったので自信はありますし、楽しみも多いです」

球速アップのポイントは2つ!

たくさんの期待が込められたスピードレボ。ではどんな特徴があって、なぜ球速アップにアプローチが出来るのか。そのポイントは大きく2つあると、茂木さんは解説する。

「1つは背面のはみだし構造です。人でいう骨にあたるはみだしを通常よりも数多く、そして長くすることで、グラブの握り応えを高めています。投球動作の中で、体にグラブを引き付けるためにグラブを握るとき、はみ出しで反発を効かせてあげることで、握り応えが高まっています。

もう1つは手のひらが触れる平裏部分、なかでも中指と薬指の指先だけ二重構造で、通常よりも1枚多く重ねて縫っています。というのも、中指と薬指は一番力がかかる場所なので、平裏の一部を重ねて縫うことでピンポイントで硬さを感じてもらうことで、握り応えを出しています」

茂木さんはじめ、今回のスピードレボは企画開発するにあたり、「グラブの握り応えが球速に繋がっている」という仮説が共通認識だった。そのなかで大きなポイントだったのが、先述した背面いっぱいに配置されているはみだしと、中指と薬指の指先だけ加工された二重構造だったのだ。

また、「一番微調整を加えました」というのが手首周りのレースの通し方。選手によって好みの硬さはもちろん、投球モーションによっても異なってくる。とはいえ、球速アップのアプローチは忘れてはいけない。いくつかの条件のなかで「スピードレボの効果をしっかり出す」ことを優先した結果が、現在のデザインに至った。

プロの感覚にモノづくりの答えがあることを信じて

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