ドラフト直前の9月、進化を実感した

――夏が終わってからは投球フォームは軸の安定を意識したのですね。

菊地 足を上げた時や安定したリリースをするために体幹の強さは必要だと感じています。体幹が弱いと、体が倒れてしまって、投げる際に体から手と足が離れてしまって、連動したフォームで投げることができない。夏はまだその力がなかったので、出力も小さく、コントロールもばらついてしまいました。体幹がしっかりしているからこそ、出力も高まると思っています。今ではコントロールを意識していてもストレートのスピードは高まっていきました。ストレートに加えて、変化球の精度も高まってきたと思います。

――投球とトレーニングの意識を変えてきて、実際に変わってきたのはいつぐらいになりますか。

菊地 夏休みを終えて、9月ぐらいから効果が出てきて、さらに気持ちも入って、もっと練習に向き合うようになりました。この時からスカウトさんも練習を見ることが多くなりました。今となっては夏から成長した投球をドラフト前に見せることができたのが大きいと思います。


ポーズを取る菊地ハルン

――今はどんな思いで練習に取り組んでいるのですか。

菊地 今は切り替えて、プロの練習についていけるように、特に走り込みを大事にして、最初から上に立てるように取り組んでいます。

――広島についてはどんな印象がありますか。

菊地 中国地方は一度もいったことがないので、初めての広島になります。熱狂的なファンが多いですし、マツダスタジアムはきれいで良い環境だと思いますし、おいしいご飯がたくさんある印象です。

――広島の投手陣で憧れにしている投手はいますか?

菊地 エースの大瀬良大地投手で、憧れです。尊敬にしていますし、大瀬良投手に限らず、プロの投手の方々はみんなデカいですよね。色々学んでいきたいと思っています。

―― プロ1年目ではどういうところを強みにして戦っていきたいところがありますか。

菊地 身長を活かしたこのスケール感は負けていないと思うので、それを活かして、上から投げ下ろすストレートで勝負したいですね。

――指導者の皆さんには「ハルン」と呼ばれていますが、活躍したら、ファンの方にはどう呼んでもらいたいと思いますか。

菊地 それはファンの方が決めると思いますが、これまでも下の名前で呼ばれる事が多かったので、応援されるような活躍をしていきたいと思っています。

―― プロでの目標を教えてください。

菊地 まずはプロのスピードについていって、カープを代表する投手になります。

<菊地ハルン>

父はパキスタン人、母は日本人 兄・菊地レハンは関東第一でプレー。右投げ右打ち 200センチ110キロ。中学時代は佐倉シニア出身で控え投手。同級生は石塚 裕惺花咲徳栄-巨人)。

千葉学芸では1年夏からベンチ入り。公式戦では3年春からエースとして活躍し、県大会の千葉敬愛戦で初の完投勝利を挙げた。県大会後の日大二の練習試合で、スカウトのスピードガンで最速149キロを計測した。3年夏では4回戦敗退に終わったが、夏以降急成長し、ドラフトで広島から5位指名を受けた。