1月上旬に公開された阪神の公式YouTube。自主トレ動画で鍛え上げられた筋肉を披露したのは、育成1位のルーキー・工藤 泰成投手(明桜ー東京国際大)だ。
ボディビルダーのような大きな肩幅で話題を呼び、ファンの心を掴んだ工藤は、昨年のドラフトで12年連続指名を達成した徳島インディゴソックス出身。大学時代はドラフト指名漏れを経験している。“独立の雄”と呼ばれる徳島で自慢の直球は159キロを計測するまで成長した。
工藤はいかにしてドラフト指名を勝ち取ったのか。注目右腕の心境に迫った。
無念のドラフト指名漏れ
明桜時代に140キロ台の直球を誇り、東京国際大学に進学した工藤が注目を浴びたのは、大学3年。リーグ戦の中継ぎでブレイクを果たすと、秋季は先発として4勝を挙げて注目の存在に浮上した。
しかし、迎えた最終学年では思うような結果を示すことができず、ドラフト上位指名も予想されていたが指名漏れとなってしまった。
「成績を落としたのが一番大きいです。制球力も悪く、特徴のない投手でした。最速153キロを出していましたが、そういうピッチャーはゴロゴロいたので…」
社会人も選択肢にあったが、工藤は徳島入団を選ぶ。そこには同級生の存在があった。
「大学の同級生だった荒木(隆之介投手・伊勢崎清明ー東京情報大)の入団が先に決まっていて、資料を見せてもらったんです。独立リーグの中でも施設は整っていると感じました。ドラフトでも毎年指名されていましたし、2023年は6人も同時に指名されていたので、行こうと決めました」
プロ入りを諦める気はさらさらなかった。