強豪校こそ「野球に対して没頭する時間が長い」 だからこそ測定が大切だ!

九鬼隆平、佐々木泰といった逸材。秀岳館県岐阜商を全国区の強豪に引き上げた鍛治舎監督。そこには過酷な練習、そしてゼット測定による数字化。可視化が1つのポイントになっていることは間違いない。4季連続甲子園出場中、ゼット測定で全国ランキング1位に輝いたことが、何よりも証拠だろう。

その裏付けに、「ランキング上位に入るチームは、各地区でベスト4、甲子園に出場して勝とうとするところが多いです」と北野さんは話す。長年、数多くのチームに訪問して、計測するからこそ見えてくる共通点、傾向といっていいだろう。

その点でいえば、桐畑さんは強豪校のある共通点を話す。
「どのチームであっても、ゼット測定は同じ測定をやって、その日のうちに振り返りをします。そうすると、強豪校ほど目標が明確になっている。選手たちから具体的な質問が投げかけられる。細かなところまでとことん聞いてくることが多いと思います。
たしかに主体性を大事にしているところが多くなりましたが、その分、野球に対して没頭する時間が長い。上手くなるにはどうすればいいか。どうやって身体を作るか、といった意識を持った選手が集まるチームが、強豪校には多いと感じています」

目標、意識。どれもありきたりで、どのチームも大事にしていることだが、それを高いレベルで継続する。そのために、ゼット測定を活用したのが鍛治舎監督だった。だからこそ鍛治舎監督は、桐畑さんと同様の意見を強く訴える。

「ずっと言ってきたのが、『野球は根拠じゃない、サイエンスだ』ということです。特に体づくりにおいて最も大切なのは、何をいつまでに、どこまでやるかです。そのためには数字目標が大事なので、ゼット測定をやるとわかりやすいんです。パワーだけではなくて、スピードと柔軟性も計測するし、すべてで得点が入る。動機づけが出来るんです。
技術でも同じで、県岐阜商に就任した時、スイングスピードで130キロを出せる選手はいなかった。ピッチャーも130キロを投げられる選手がいなかった。けど、毎日計測し続けたら、数字が上がるんですよね。だからこそ、測定するだけでも意味があると思います」

明確な目標を立て、そこに向けて一歩ずつ着実に歩み続ける。そのルートを明確にするため、そして歩みを加速させるのに測定が、大きな効果を発揮するのだ。

オフシーズンは残りわずか。しかし、集大成の夏まではまだ時間がある。最後の夏、最高の結果を残すのに、まずは測定で現在地を理解してから、目標を定めても遅くはない。むしろ、目標達成のためには、やるべきではないだろうか。

各チームで独自の測定するのも良し。外部を利用して測定するのも良し。チームによって事情は様々だが、より野球に即した測定をするならば、ゼット測定が適しているだろう。気になるチームは一度調べてみてはどうだろうか。

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