隼人工野球部による小学生野球教室が1月下旬、霧島市の同校グラウンドで行われた。軟式野球の国分北ジャイアンツの小学生22人を高校野球部員が直接指導。「野球の楽しさを伝えたい」(隼人工・新開 剛監督)と昨年に続いて2回目となる試みだった。
まずはラグビーボールを使ってサッカーでウオーミングアップ。「ボールがどこに転がるか分からないので、集中してボールを見るようになり、前後左右に動くので野球の動きにもつながる」(新開監督)。肩の高さで握ったボールを落としてキャッチする練習は「ボールの高さに目線を合わせてしっかり見ると捕れるようになる」。見る、聞く、触れる…基本の前の「基礎」に当たる五感を刺激して野球にもつながる感性を磨く。
キャッチボール、ボール回し、トスバッティング、ノック…小学生の集中力が持続できるよう、1つのメニューは3分から長くても10分と短めに、同じキャッチボールでもボールや距離を変えるなど多彩なメニューをこなした。
小学生1人に1、2人の高校生がついてコツを教える。「かつて自分もこうだったな」と懐かしさを感じたと1年生の蔵園 悠真。自分たちが日頃習っていることでも「小学生に分かりやすいように言葉で伝えるのは難しいと思った」(山下 珀人・2年)。高校生にとっては、普段の練習の中で「インプットされたものをアウトプットする」(山田 和久部長)作業であり「言語化する作業を通じて、チームメートと意思疎通を深める訓練として役に立った」(山田、蔵園)。
「いろんな練習を優しく教えてもらってとても楽しかった」とジャイアンツの高橋 瀬人主将。「弱い力でもしっかりボールに回転をかければ、遠くにボールが投げられること」が分かったのが嬉しかった。将来は「山田 哲人選手のような選手になりたい」と言う。
新開監督は「小学生も、高校生も野球を通して感性を磨いてもらって、心豊かな優しい人間に育って欲しい」と彼らの将来を期待していた。