第97回選抜高校野球大会(センバツ)の出場32校が決まり、球児たちは3月18日の開幕に向けて準備を進めている。大会で注目される球児たちを紹介していきたい。
2年ぶり6度目のセンバツ出場となった大垣日大(岐阜)には、成長著しい1年生左腕がいる。谷之口 翔琉投手(1年)は、昨年秋の岐阜大会で、6試合に登板し27.2回を投げて無失点。先発2試合、リリーフ4試合で1点も取られることなく、チームを優勝に導いた。
172センチ、58キロと細身の体型ながら、フォームは軸がしっかりしている。直球の最速は140キロに満たないが、変化球も交えてコーナーを丹念についた投球で結果を出した。伸びのいい直球で詰まらせた打球で打ち取るなど、相手打者はタイミングが取りづらい。岐阜県大会準決勝の岐阜第一戦では、5安打完封勝利。練習試合を含めて初の完投が、ビッグな結果をもたらした。
東海大会の準々決勝。愛知の強豪、中京大中京戦では、延長10回タイブレークにもつれ込む接戦にも、2失点(自責1)完投勝利を手にした。ここではカーブが好調で、直球との緩急をつける投球で、またも打者を詰まらせることに成功した。
1年生左腕としては、右腕の中野 翔真投手(2年)が控えていることも大きかっただろう。センバツではどんな起用となっても、1年生とは思えない緩急をつけたクレバーな投球を見せてくれるに違いない。
【谷之口の岐阜、東海、明治神宮大会の成績】
<岐阜大会>
1回戦(加納)※1回0安打3奪三振0失点
2回戦(岐阜)8回2安打6奪三振0失点
3回戦(東濃実)※2.2回1安打2奪三振0失点
準々決勝(岐阜総合学園)6回3安打5奪三振0失点
準決勝(岐阜第一)9回5安打3奪三振0失点
決勝(中京)※1回0安打1奪三振0失点
<東海大会>
準々決勝(中京大中京)10回4安打5奪三振2失点(自責1)
準決勝(岐阜第一)2.1回4安打1奪三振5失点(自責4)
<明治神宮大会>
1回戦(東海大札幌)※2回0安打4奪三振0失点
(※は救援)