岸田 護新監督のもと、5位からの浮上を目指すオリックスでは、高卒2年目を迎える東松 快征享栄)が一軍に相当するA組に名を連ねた。A組参加メンバーで一軍を経験していない唯一の選手となり、期待値の高さがうかがえる。

 だが、高卒1年目の昨年は二軍で7試合に登板し、0勝3敗、防御率15.43と思うような結果を残せなかった。プロの壁に苦しんだように見えるが、一軍キャンプに抜擢された理由はどこにあるのだろうか。

 『高校野球ドットコム』では高校1年秋から東松を取り上げてきた。高校時代の東松は最速152キロのストレートを一番の武器としながらも、変化球の種類も多く、先発投手としての活躍を予感させていた。

 プロ入り後もその特長は失われず、ストレートは最速150キロ超を計測し、平均でも145キロをマークしている。変化球もスライダー、フォーク、カーブと複数の球種がウイニングショットとして機能し、投球イニング(11回2/3)を上回る13奪三振を記録。また、対戦打者に占める与四球の割合を示すBB%は9.2%とリーグ平均値であり、制球面も大きな乱れはなかった。

 防御率15.43と結果は良くなかったが、投球自体は期待できる内容であり、今回の一軍キャンプ抜擢につながったと言えそうだ。

 オリックスでは、山本 由伸都城)、宮城 大弥興南)ら歴代のエースも高卒2年目に一軍に定着し、エースへと成長した。東松自身も、ドラフト前に行った取材では「2、3年目ぐらいに2桁勝利を挙げられるようになりたい」と語っていた。まずは一軍デビューに向けて、このキャンプでのアピールに注目したい。