キャンプも第2クールに入り、紅白戦、試合形式の打撃練習も増えてきました。好投する投手、本塁打を打つ野手の情報が入ってきます。そんな中の中日5年目・土田 龍空内野手(近江)です。8日の紅白戦では根尾 昂投手(大阪桐蔭)から内角直球を引っ張り、ライトスタンドへ飛び込む本塁打を放つなど、2安打3出塁と大活躍。前日からのシート打撃でも左中間への二塁打を打っており、明らかに昨年の土田選手とは違います。

 何度か土田選手については取り上げていますが、今年こそ大ブレイクが期待できる選手として昨年からの変化を取り上げていきたいと思います。

3年目は一軍114試合出場も打撃が弱かった

 土田選手の4年間を振り返ると、通算202試合で532打数112安打、1本塁打、34打点。昨年はわずか17試合出場に終わり、44打数7安打2打点と一軍での出場機会は4年間で2番目に低い出場数になりました。体調不良などなかなか思うようにいかないシーズンでした。

 ただ打撃面で光明が見えました。二軍成績を見ると、37試合で、95打数28安打、1本塁打、12打点、打率.295と高打率を残しており、長打率.421、ОPS.795と伸びています。土田選手は高卒1年目は二軍で89試合、打率.240、二塁打10本、ОPS.650と打率2割以下の選手が多い中、十分な打撃成績を残していました。もともと高校時代は通算30本塁打を放っており、長打力も非凡なものは持っていました。

 土田選手の最大の長所は守備。抜群のスピード、天性の反射神経を活かした動きは他の遊撃手の中でも群を抜いています。それが買われて3年目は114試合出場しましたが、打率は.187に終わり、二軍でも13試合で打率.159に終わりました。

 当時の打撃を見ると、しっかり打撃フォームが完成しないまま使われている感じが見られました。当て勘は良いのですが、スイングに強さがない。これでは長期的に結果を残すのは厳しいと感じました。

 24年シーズン、土田選手が不調に苦しむ中、中日のショートは村松 開人内野手(静岡-明治大)が浮上し、102試合ショートで出場し、371打数102安打、1本塁打、25打点と結果を残しています。キャンプインしてからのシート打撃でも三塁打を打っており、仕上がりは順調で、強力なライバルです。

春季キャンプから見える打撃の進化

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