春季キャンプから見える打撃の進化
ただ今季の土田選手は違います。8日の根尾投手が投じた内角ストレートはなかなか打ち返すのは難しいコースですが、右ヒジをしっかりと畳んでポイントを前に置き、体をしっかりと回転させて鋭いスイングができていました。押し込みの強さ、打球の速さ、打球音の強さ、スイングスピードの速さがどれも違います。23年はカットしようとやや差し込まれるような当たりが多かったのですが、しっかりと引っ張って強い打球が打てています。
不調に苦しんだ23年と比べれば、状態が良いですし、この強いスイングを年間通してできるようならば、一軍での出場機会が増えていくでしょう。中日は村松選手のほかにセカンドでは田中 幹也選手(東海大菅生)が112試合出場しており、争いが激しくなりました。土田選手はこれからも別格の内容を示す必要があります。
土田選手は今年で高卒5年目。同世代にはゴールデンルーキーとして注目を浴びる楽天・宗山塁内野手(広陵-明治大)がいます。高校時代から二人のプレーを見てきましたが、潜在能力には遜色ありません。守備力はどちらも華がありますが、宗山選手は基本動作をきっちりこなし、確実にアウトを積み重ねるタイプ。土田選手は常人には行いがたい守備動作や、プレーを見せることがあります。
一流の遊撃手が長く活躍すれば、多くの少年野球選手の目標になります。現代は西武の・源田 壮亮選手(大分商)、ソフトバンク・今宮 健太選手(明豊)に憧れる球児が多いのですが、土田選手は多くの球児が憧れそうなスター性が備わっています。
パ・リーグは宗山、セ・リーグは土田と、どちらも活躍して、球界を盛り上げる世界になれば理想的です。
今年こそ大ブレイクし、いずれは中日球団の歴史に残るショートへ成長する未来が実現することを期待しています。