昨年9月に大失速した4位の広島は現役ドラフトでオリックスから山足 達也大阪桐蔭出身)、そして日本ハムから鈴木 健矢木更津総合出身)と史上初となる合計2名を獲得した。

 一軍キャンプ一軍スタートとなった鈴木は6日のシート打撃では5人を無安打に抑える好投を見せ、新井貴浩監督からの評価が上がっている。広島は先発では2年目の大卒ドラ1右腕・常廣 羽也斗投手(大分舞鶴)、中継ぎでは、最速158キロ右腕の島内 颯太郎投手(光陵)など速球派投手が増えている中で、アンダースローの鈴木は貴重な存在だ。

 木更津総合時代からサイドハンドに取り組み、15年センバツに出場。卒業後はENEOSに入社し、140キロ後半の速球とシンカーを投げ分ける投手へ成長し、19年ドラフト4位で日本ハムへ入団した。3年目の22年からアンダースローへ転向し、2023年は24試合(12先発)で6勝を挙げ防御率2.63と安定した投球を見せた。昨年も8試合(3先発)で1勝2敗ながら防御率は2.74と打ち込まれていたわけではない。リーグが変わることでアンダースローがさらに力を発揮する可能性もあり、飛躍が期待される。

 同じく一軍キャンプスタートとなった山足は、内野全ポジションを守るユーティリティープレーヤーとして期待がかかる。これまでに規定打席到達はない。しかし7年間で283試合に出場。複数ポジションを守れる山足は重宝された。昨年は一軍で打率.133(15-2)だったものの二軍では打率.318(66-21)と結果を残している。広島でも同様に攻守ともに欠かせない存在となり、一軍に定着することが最初の目標となりそうだ。

 広島の過去2回の現役ドラフト選手の結果を振り返ると、第1回の現役ドラフトでは戸根 千明石見智翠館出身/前巨人)、第2回では内間 拓馬宜野座出身/前楽天)を指名していたが、2人の実績を振り返っていきたい。

 戸根は開幕から7試合連続無失点と好スタートを切った。24試合に登板し1勝0敗5ホールド、防御率4.64の成績を残すも、年間を通して一軍に定着ができず8月10日の試合を最後に一軍での登板はなかった。2年目の昨シーズンは一軍での登板がなく、戦力外通告を受け、25年から社会人野球の日本新薬でプレーする。

 一方の内間は広島に移籍後、一軍での登板はなかった。二軍では 29試合に登板したものの1勝2敗、防御率4.00に終わり、このオフに戦力外通告を受けている。

 鈴木、山足のプレースタイルを見るとド派手な活躍する選手ではないが、痛いところを補ってくれる貴重な活躍を見せてくれそうだ。