昨年5位に終わったオリックスは昨年12月9日の現役ドラフトで、西武から本田 圭佑(東北学院出身)を獲得した。キャンプでもA組(一軍)スタートしている。
本田は19年に先発として6勝を記録し、2022年から3年連続で25試合以上に登板。2022年、2023年は2年連続で防御率1点台を守った。今シーズンは3年ぶりに防御率が悪化し4点台となったものの、31試合に登板している。特徴としては中継ぎながら、幅広く球種を使い、ピンチの場面でも冷静な投球ができるところだ。常時140キロ中盤の速球、スライダー、カーブを器用に投げ分けて抑える。オリックスの中継ぎ陣を見ると平野 佳寿(鳥羽出身)、山崎 颯一郎(敦賀気比出身)、宇田川 優希(八潮南出身)、マチャドらビッグネームが揃っている。しかし平野と山崎は故障もあり24年シーズンは登板機会が少なかった。宇田川も不振にあえぎ13試合の登板のみ。3連覇を支えた投手陣は勤続疲労が見えた。そんな中継ぎ陣の層を厚くするためにも本田の加入は大きい。
キャリアのある本田はストレートの出力を高めつつ、変化球の制球を安定させることが活躍のカギになるだろう。
オリックスの現役ドラフト2名の活躍を振り返りたい。
第1回の現役ドラフトでは渡邉 大樹(専大松戸出身/前ヤクルト)を獲得し、外野の守備固めとしての期待が高かった渡邉は、一軍でわずか1試合のみの出場に終わりノーヒット。二軍でも48試合で打率.211(90-19)と苦しみ、同年オフに戦力外通告を受けた。
第2回では鈴木 博志(磐田東出身/前中日)を獲得し、主に中継ぎとして32試合(先発1試合)に登板した。回またぎも多く投球回数は39回1/3を数えた。登板試合数、投球回数ともにルーキーイヤーに次ぐキャリア2番目の数字。また、僅差の場面での登板機会も多く1勝1敗9ホールド、防御率2.97と好投。防御率はキャリアハイを更新し加入1年目から中継ぎ陣を助ける存在となった。
昨年は鈴木だけではなく、トレードで加入した吉田 輝星投手(金足農出身)は50試合、14ホールド、防御率3.32とキャリアハイの数字を残した。
本田は博志、吉田のように、移籍前より進化することが求められる。それが実現すれば、オリックスの投手陣はさらに盤石になるだろう。