20年ぶりのパ・リーグ優勝を目指すロッテの課題は、ドジャースへ移籍した佐々木 朗希の穴埋めだ。昨年、佐々木は111イニングを投げ、10勝を記録。また退団したメルセデスも4勝126.1回とイニングイーターとして大きな役割を発揮した。
優勝をするには、ソフトバンクを上回らなければならない。3位のロッテとソフトバンクとのゲーム差は18.5ゲーム差で、勝ち星はロッテ71勝に対し、ソフトバンクは91勝と20勝も差があった。
佐々木、メルセデスが投げた237.1イニング、14勝を補って、さらに勝ち星を積み重ねない限り、優勝は厳しいだろう。ローテーション候補と、新戦力、ブレイク候補を考えていきたい。
不動の3人に加え、FAで石川獲得、外国人投手獲得で補強には成功
まず不動のローテーションは小島 和哉投手(浦和学院)、種市 篤暉投手(八戸工大二)、西野 勇士投手(新湊)の3人が確定。小島は25試合で12勝10敗、163回、防御率2.58の好成績を残し、4年連続規定投球回に達しているのは頼もしい。種市も一度だけ離脱はあったが、23試合で7勝8敗、147.1回、148奪三振、防御率3.05とパワー型の先発投手として台頭した。23年から先発復帰した西野は20試合で9勝8敗、122.1回、77奪三振、防御率3.24だった。
種市 篤暉
FAでソフトバンク・石川 柊太投手(総合工科)を獲得できたのが大きい。昨年は体調不良による離脱もあり15試合にとどまったが7勝2敗、防御率2.56と安定した成績を残した。決め球であるパワーカーブは風が強いZOZOマリンで威力を発揮するだろう。21年にはキャリアハイの156.1回を投げているが、同様のパフォーマンスを発揮したい。
5人目は前マリナーズのオースティン・ボス投手となりそうだ。昨季はメジャー68試合で2勝4敗、61回、61奪三振、防御率3.69の成績を残している。先発経験もあり、20年には11試合で11先発、22年には41試合で17先発。通算207試合、17勝19敗、360.1回、343奪三振、防御率4.70と三振を奪える投手として実力を発揮している。
昨年12月に獲得した前タイガースのブライアン・サモンズ投手は常時140キロ後半の速球、スライダーで勝負する左腕だ。MLBの経験は昨年だけで、6試合の中でもロングリリーフが多く、デビュー戦となった6月29日のガーディアンズ戦ではリリーフながら、7.1回を投げて、それ以外にも4イニング以上試合が3試合もある。マイナーでは先発として経験を積んでおり、ロッテでは先発として台頭が期待できる。昨年のパフォーマンスを発揮すれば、日本でも活躍できそうだ。
実績組だと、石川 歩投手(富山・滑川)が1年間稼働できるかどうか。長く故障で苦しんでいたが、昨年復活して、5試合で3勝1敗だった。22年は125.1回を投げ、7勝をマークしている。
美馬 学投手(藤代)はわずか3試合で防御率7.43に終わり、崖っぷちの状況だ。毎年100イニング前後を投げていた23年以前のパフォーマンスに期待するのは厳しいだろう。先発復帰した唐川 侑己投手(成田)は、昨季8試合で3勝2敗、38回、31奪三振、防御率2.37だった。19年から23年まで中継ぎだったが、メリハリが効いた投球術はやはり先発だからこそ生きる。伸びのあるストレートを今季も持続していきたい。2年連続で一軍登板がなかった二木 康太投手(鹿児島情報)も野球人生をかけた1年になる。
先発転向組では、高野 脩汰投手(出雲商)がいる。昨季はロングリリーフ、先発をこなし、6試合で14.2回を投げ、16奪三振、防御率3.68を残した。