若手組の成長もやはり物足りなさが…

 とはいえ、若手組が台頭しない限り、ソフトバンク、日本ハムの上位勢と戦うのは厳しい状況だろう。楽しみなのが、高卒3年目の田中 晴也投手(日本文理)だ。田中は日本文理時代、最速150キロの速球、鋭く落ちるフォークを武器に北信越を代表する剛腕として活躍した。2年目の昨年は二軍12試合に登板して、52.2回を投げ、53奪三振、防御率2.73の好投。球速も常時150キロを超えており、打者を制圧できるようになった。一軍デビューもはたし、4試合で防御率1.80。この成長曲線は種市を彷彿とさせるものがある。種市は3年目で8勝、116.2回を投げている。

 6年目の中森 俊介投手(明石商)もそろそろ一本立ちしたい。昨季は5試合で1勝1敗、防御率2.63だった。一昨年は13試合で防御率3.54と、一軍登板すれば、ある程度のパフォーマンスは期待できる投手である。

2年目の木村 優人投手(霞ヶ浦)も期待の逸材。昨季は体作りを行いながら、二軍で11登板し、19回を投げ、14奪三振、防御率2.37と好投をみせた。キャンプを見ても出力が上がっている。一軍デビューの可能性はあるが、吉井監督は若手投手にはあまり無理させることはないので、木村の場合、まず経験を積む1年となりそうだ。


木村 優人

 ロッテは既存の投手が昨年以上のパフォーマンスを残し、獲得投手も1年通して活躍することが大前提となる。小島、種市、石川、西野、ボスの5人は最低でも20先発・投球回100回・合計50勝以上は期待したい。サモンズ、高野、唐川は5勝・50イニング以上。復活をかける石川と二木、若手組の田中、中森、リリーフ陣でどれだけ勝ちを拾えるか。ある程度は戦えそうだが、優勝を狙うには若手の大ブレイクが頼りとなりそうだ。

 21年から3連覇したオリックスは、前年の20年はダントツ最下位に終わり、そこから山本由伸投手(都城)、宮城 大弥投手(興南)などが大躍進して、優勝につなげた。先発候補の若手投手が躍進すれば、数年後のロッテは見通しが明るくなる。出てくる若手投手は、誰だ?

【ロッテ先発候補の投手成績】

小島 和哉 25試合 12勝10敗、163回、防御率2.58

種市 篤暉 23試合 7勝8敗 147.1回 148奪三振 防御率3.05

西野 勇士 20試合 9勝8敗 122.1回 77奪三振 防御率3.24

石川 柊太 15試合 7勝2敗 63.1回 52奪三振 防御率2.56

唐川 侑己  8試合 3勝2敗 38回 32奪三振 防御率2.37

高野 脩汰 6試合 1勝1敗 14.2回 16奪三振 防御率3.68

田中 晴也 4試合 1勝1敗 20回 17奪三振 防御率1.80

石川 歩  5試合 3勝1敗 24.1回 11奪三振 防御率3.70