プロ野球の春季キャンプは中盤に差し掛かり、各球団とも実戦形式の練習が増えてきた。選手たちはレギュラー争いや開幕に向けた調整を進める中、チームの戦力の軸となる主力選手の動向にも注目が集まる。

 ソフトバンクは豊富な資金力を武器に、推定年俸1億円以上の選手を数多く抱えている。今回は、ソフトバンクの高額年俸選手たちにスポットを当てていく。

 ソフトバンクは年俸1億円以上の日本人選手が12球団最多となる14人も在籍している。そのトップに君臨するのが5億5000万円の近藤 健介横浜)だ。日本球界ナンバーワンと言っても過言ではないバットコントロールの持ち主で昨年は首位打者、最高出塁率と2つのタイトルを獲得。金額に恥じない活躍を見せている。FAで加入した2023年から7年契約を締結しており現状維持と報じられている。

 2位は柳田 悠岐(広島商-広島経済大)で4億7000万円。昨年まではチームトップだったが今年は近藤にトップの座を譲っている。試合中の負傷で長期離脱し52試合の出場に留まったことが響いた。近藤、柳田に続くのが山川 穂高(中部商-富士大)、有原 航平広陵-早稲田大)、今宮 健太明豊)の3人。山川は4億5000万円、有原は4億円、今宮は3億円と全員が3億円を超えている。日本人選手で年俸3億円以上を5人も抱えているのは、もちろんソフトバンクだけだ。

 チーム6位がこのオフに加入した上沢 直之専大松戸)で2億5000万円。昨年はMLBで2試合のみの登板にとどまったが、23年まで在籍した日本ハムでは通算70勝。この春季キャンプでもブルペンで好投を見せておりアクシデントがなければ開幕ローテーション入りは間違いない。

 上沢に続くのが東浜 巨沖縄尚学-亜細亜大)、又吉 克樹西原-環太平洋大-香川オリーブガイナーズ)、武田 翔太宮崎日大)の3人で1億5000万円。いずれも現状維持となっている。特に武田はトミー・ジョン手術を受けたことで昨年の登板は0。開幕は間に合わない見通しで復帰は5月以降とされており、巻き返しに期待がかかる。

 3人と同じく1億5000万円なのが栗原 陵矢春江工)だ。3年ぶりの規定打席到達となった昨年は打率.273(527-144)、20本塁打の成績を残し三塁のレギュラーを勝ち取りベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。8700万円の大幅アップとなった。

 栗原と同じく大幅昇給を勝ち取ったのが松本 裕樹盛岡大付)だ。松本は2年連続50試合以上に登板し2勝2敗14セーブ、23ホールド、防御率2.89と勝ちパターンの一角を担ったことで4000万円アップした。

 自身3度目の盗塁王を獲得した周東 佑京東京農大二-東京農業大北海道オホーツク)も6500万円の大幅アップで松本と同じく1億1000万円となった。以下、牧原 大成城北)、中村 晃帝京)が1億円で続いている。牧原は脇腹を負傷したことで途中離脱。78試合の出場にとどまったが3年契約中ということもあり現状維持。中村は101試合の出場だったが途中出場が多く打席数は203にとどまり、打率.221(181-40)と苦しみ5000万円のダウンだった。

 このように巨大戦力を抱えるソフトバンクだが、2020年以来となる日本一奪回となるだろうか。

【2025年シーズン年俸1億円以上】△▼減俸

近藤 健介   5億5000万(現状維持)
柳田 悠岐   4億7000万(▼1億)
山川 穂高   4億5000万(△1億5000万)
有原 航平   4億(現状維持)
今宮 健太   3億(現状維持)
上沢 直之   2億5000万(△1億4270万)※1
東浜 巨    1億5000万(現状維持)
又吉 克樹   1億5000万(現状維持)
武田 翔太   1億5000万(現状維持)
栗原 陵矢   1億5000万(△8700万)
松本 裕樹   1億1000万(△4000万)
周東 佑京   1億1000万(△6500万)
牧原 大成   1億(現状維持)
中村 晃    1億(▼5000万)

※金額は推定
※外国人選手は除く
※1 上沢は2024年に74万ドル(1億730万/1ドル145円換算)の契約