先発ローテ入りが期待される3投手
次点で先発ローテへの定着が期待されるのが、5年目を迎える山野 太一(高川学園‐東北福祉大)だ。昨年は14試合、3勝4敗、防御率6.08に終わったが、現場からの評価は高い。プロ入り後に肩の故障に苦しみ、一時は140キロ前後に球速が落ち込んだが、昨年はコンスタントに140キロ後半を計測。キレのあるスライダーを含め6種類の変化球を持っており、もともとのポテンシャルも高い。勝負所での失投や打たれ出すと止まらないといったメンタル面が課題だが、一軍経験を積んで迎える今年はその課題を克服したいところ。2月18日のロッテとの練習試合では最速146キロを計測し、2回無失点と開幕ローテーションに向けて好アピールを見せている。
高卒8年目の金久保 優斗(東海大市原望洋)と高卒4年目の竹山 日向(享栄)もそろそろ一軍で結果を残したい投手である。
金久保は2021年に4勝、防御率2.74と飛躍の兆しを見せたが、打球直撃の不運もあり、ブレイクしきれなかった。以降は持ち味だったストレートの球速が落ち込み、苦しいシーズンが続いていたが、昨年から徐々に本来のスピードを取り戻し、二軍では16試合で防御率3.94。今年は2月16日の練習試合で150キロを計測しており、このままアピールを続けていきたい。
竹山はノビのある150キロ超のストレートと変化量の大きいスライダーを持つポテンシャルの高い投手で高卒2年目には一軍キャンプにも抜擢された。だが、制球面が安定せず、昨年は二軍で15試合に登板し、防御率8.33に終わった。それでも、シーズン後半にかけて好投が目立ち、10月10日のフェニックスリーグの試合では7回無四球無失点と成長した姿を見せている。今キャンプは途中から一軍に合流し、2月18日の練習試合ではコンスタントに140キロ後半をマークし、2回1奪三振無失点とアピールに成功した。
その他にも、一軍デビューを完封勝利で飾った松本 健吾(東海大菅生‐亜細亜大‐トヨタ自動車)、イースタン投手3冠の阪口 皓亮(北海)、プロ1年目に日本シリーズの先発マウンドに上がった山下 輝(木更津総合‐法政大)らの奮起も期待される。
2025年は吉村、高橋が先発の中心になるだろう。加えて、小川、石川といったベテラン組、メジャー経験豊富なランバート、アビラといった新外国人投手も控える。若手投手のいずれかが先発ローテーションに定着してくれれば、見通しが明るくなるが、果たしてどうなるか?