海の向こうでもスプリングトレーニングが始まった。大注目の大谷 翔平選手(花巻東)もドジャースのキャンプ地であるグレンデール(アリゾナ州)にて汗を流している。

 そんな大谷だが今年は投手としての復帰が既定路線となっており、すでにブルペンでの投球練習も行われた。150キロを超える4シーム(ストレート)を投げ込むなど、復帰に向けて状態は悪くないようだ。昨年のワールドシリーズで左肩を負傷したことも相まって、投手としての復帰は5月頃とされている。シーズン終了まで4ヶ月〜5ヶ月となるが、どのような投手成績を残すのか予想してみたい。

予想スタッツ:20試合(115回)8勝5敗 防御率3.50 120奪三振

 初登板から全力全開で投球するわけではなく、投球回数や球数の制限をかけながら徐々に状態を上げていくはずだ。ドジャースは先発6人体制のローテーションを採用するが、その採用開始時期は開幕からではないとロバーツ監督は明言している。多少のズレはあるにせよ大谷の復帰する5月以降からだろう。

 6人体制で中5日あるいは中6日でローテーションを回ればシーズン終了までに約20試合。平均投球回数を6回に届かないくらいと設定し115回と予想した。ドジャースは故障明けの投手に対して、イニング数というよりかは球数に制限をかけ慎重な起用を心がけている。昨年の山本 由伸投手(都城)も9月に戦線復帰以降は球数に制限があり、初戦は59球。以降の3試合もすべて70球台だった。故障箇所やメジャーでの経験値が大谷と山本では異なるものの、無茶な起用をしない点は同じはずだ。

 1回目のトミー・ジョン手術明けの2020年は2試合の登板で1回2/3を投げ防御率37.80。コロナ禍による短縮シーズンだったこともあるが、万全の状態とは程遠かった。以降、2021年から2023年までの3年間で大谷の防御率は3.18、2.33、3.14と推移してきた。また奪三振数はすべて投球回数を上回り復帰1年目とは別人だった。

 今回は2度目の手術明けということを考慮し、2021年から2023年に近い数字と予想している。防御率がやや悪化しているのは、本拠地ドジャースタジアムがホームランのパークファクター(各球場ごとの偏りを表す数値指標)でエンゼルスタジアムより悪いからだ。MLB公式データサイトの「Baseball savant」によると2022-2024年シーズンのパークファクターは両スタジアム共に100。一方で本塁打だけを見るとドジャースタジアムが122でエンゼルスタジアムが112。ドジャースタジアムの方が本塁打はでやすいのである。パークファクターが同じなので気にするほどではないかもしれないが、予想ではやや割り引いた。

 はたして復帰1年目の投手大谷はどのような成績を残すのだろうか。

【大谷翔平選手の主な投手成績一覧】

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